特定技能の申請方法と注意点マニュアル|企業要件・必要書類・受取の流れまで全分野解説
外国人の雇用を検討している、あるいは受入手続きを進めている企業の採用・人事担当者様へ。
「特定技能の申請手続きは複雑で全体像がつかみにくい」「提出書類の不備で不許可になったらどうしよう」「分野ごとの上乗せ要件が分からない」といったお悩みを抱えていませんか?
特定技能制度は、深刻な人手不足に対応するための即戦力人材として大きな期待が寄せられています。しかし、入管法令や労働関係法令に基づく審査基準は非常に厳格であり、法務省・出入国在留管理庁が定める各種「運用要領」の改正に伴い、常に最新の基準に合わせた適切な手続きが求められます。
本記事では、企業の外国人雇用担当者様が押さえるべき「特定技能申請の全体像・具体的な流れ・落とし穴となりやすい注意点」を全分野対応で分かりやすく解説します。
📌 この記事で分かること(目次)
- 企業(特定技能所属機関)と外国人本人に求められる必須要件
- 申請種別(認定・変更・更新)と申請方法(窓口・オンライン)の選択基準
- 特定技能雇用契約書・支援計画書・提出書類チェックリストの作成ポイント
- 産業分野ごとの上乗せ書類(協議会加入・事業所認定等)の注意点
- 新しい在留カード・在留資格認定証明書(COE)受取までの流れ
目次
Toggle企業要件の確認(協議会など)
特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、法的に定められた基準を満たしている必要があります。要件を満たしていない場合、申請を行っても不許可となるだけでなく、最悪の場合は一定期間の受入停止処分を受けるリスクがあります。
1. 労働・社会保険・租税関係法令の遵守
企業側に労働保険(雇用保険・労災保険)、社会保険(健康保険・厚生年金)、国税・地方税(法人税・法人住民税など)の滞納・未納が一切ないことが条件です。分納(換価の猶予・納税の猶予)の許可を受けている場合を除き、過去の未納がある場合は申請前に完納し、証明書を取得しなければなりません。
2. 欠格事由への不該当と過去の不祥事がないこと
- 非自発的離職者を発生させていないこと: 申請前の1年以内に、受入れようとする業務と同種の業務に従事していた労働者を会社都合で離職(解雇や希望退職・退職勧奨等)させていないこと。
- 行方不明者を発生させていないこと: 過去1年以内に、企業の責に帰すべき事由により失踪者を発生させていないこと。
- 法令違反がないこと: 過去5年以内に労働基準法や入管法などの関係法令違反による刑事罰や改善命令等を受けていないこと。
3. 分野別協議会への加入
特定技能制度では、受入れ分野ごとに構成される「分野別協議会」(厚生労働省、国土交通省、経済産業省、農林水産省等が設置)へ加入することが義務付けられています。
【重要】協議会加入のタイミング
「申請前の加入」が必須となります。手続きの順序を間違えると在留資格の交付が遅れるため事前加入が不可欠です。
申請人要件の確認(試験、未納など)
雇用する外国人本人(申請人)についても、特定技能の在留資格を得るための基本要件を満たしているか確認します。
1. 基本要件(年齢・健康状態)
- 年齢: 18歳以上であること。
- 健康状態: 業務を支障なく継続して行える健康状態であること(指定項目を満たした医師の診断書が必要)。
2. 技能水準および日本語能力水準の立証
原則として、以下の試験に合格することで要件を満たします。
| 確認項目 | 立証方法・対象試験 |
|---|---|
| 技能水準 | 各分野が実施する「特定技能評価試験」への合格 |
| 日本語能力 | 「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」または「日本語能力試験(JLPT N4以上)」への合格 ※介護分野等は固有の追加試験(介護日本語評価試験)が必要 |
💡 技能実習2号からの移行特例
「技能実習2号」を良好に修了した外国人は、技能実習時の職種・作業と特定技能の業務区分に関連性がある場合、技能試験・日本語試験の両方が免除されます。一方、技能実習時の職種・作業と特定技能の業務区分に関連性がない場合は、日本語試験のみ免除され、特定技能の技能試験については合格が必要です。
なお、介護分野では、技能実習2号を良好に修了していても、介護日本語評価試験は免除されません。介護分野で特定技能1号への移行を希望する場合は、必要な試験について別途確認が必要です。
3. 公的義務(税・社会保険・年金)の納付状況【最重要チェック項目】
日本に在留歴がある外国人(留学や技能実習から切り替える場合など)の場合、個人住民税、国民健康保険料(税)、国民年金の未納・滞納が審査で極めて厳しくチェックされます。
未納分が残っていたりすると、申請は不許可になります。未納がある場合は、申請前に全額納付のうえ納付証明書を揃え、期限遅延がある場合は理由書等を準備する必要があります。
申請種別(認定・変更・更新)
特定技能の手続きは、対象となる外国人の現在の状況により3つの申請種別に分かれます。
- 在留資格認定証明書交付申請(認定):
海外から新たに外国人を呼び出して雇い入れる場合の手続きです。出入国在留管理局から認定証明書(COE)の発行を受けた後、現地の日本大使館・領事館でビザ発給を受けます。 - 在留資格変更許可申請(変更):
既に日本に在留している外国人(技能実習生からの切り替え、留学生からの採用、他社からの転職など)を特定技能として雇用する場合の手続きです。許可が下りるまで新しい業務に従事させることはできません。 - 在留期間更新許可申請(更新):
現在特定技能で自社で就労している外国人の在留期間を伸ばす手続きです。特定技能1号の通算在留期間上限(原則5年)の範囲内で、4ヶ月から3年ごとに更新を行います。
申請方法(窓口・オンライン)
特定技能の在留申請は、「地方出入国在留管理局の窓口での出頭申請」と「電子出入国在留管理システムを利用したオンライン申請」のいずれかを選択できます。
| 項目 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 申請方法 | 管轄の出入国在留管理局窓口へ出頭して申請 | WEB上の専用システムから申請 |
| メリット・特徴 | 窓口で書類を提出するため、提出時に不備の一次確認を受けられる場合がある | 出入国在留管理局へ出向く必要がなく、移動や待ち時間を削減できるほか、窓口申請より手数料が安くなる |
| デメリット・注意点 | 公的機関が発行する書類や一部の署名・サインが必要な書類について、原本の提出が必要となる場合がある | システム障害や通信トラブル等により、予定していたタイミングで申請できなくなる可能性がある |
※オンライン申請を利用するためには、事前の利用機関登録が必要です。オンライン申請を利用できる申請については、窓口へ出向くことなく手続きを行うことができます。
提出書類一覧表の確認
特定技能の申請書類は、基本様式・添付資料を含めると数十枚から100枚近くに及ぶ膨大な量になります。
出入国在留管理庁のホームページから、申請種別に対応した「提出書類一覧表(チェックリスト兼表紙)」をダウンロードし、必要書類の不足がないか、並び順が指定どおりになっているかを必ず確認してください。
申請の種類・在留資格によって一覧表が異なる
「提出書類一覧表(チェックリスト兼表紙)」は、すべての特定技能申請で同じものを使用するわけではありません。
特定技能の申請には、主に在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請があり、それぞれに対応した提出書類一覧表が用意されています。
また、特定技能1号と特定技能2号でも提出書類一覧表が異なります。
そのため、申請前には、「認定・変更・更新のどの申請なのか」、そして「特定技能1号・2号のどちらなのか」を確認し、該当する最新の一覧表を使用してください。出入国在留管理庁も、各申請に関する提出書類について、それぞれの申請ページに掲載されている一覧表を確認するよう案内しています。
⚠️ 申請区分に合った一覧表を使用しましょう
例えば、特定技能1号の認定申請・変更申請・更新申請では、それぞれ使用する一覧表が異なります。また、特定技能1号と特定技能2号でも必要書類が異なります。申請する申請区分・在留資格・分野に合った最新の一覧表を使用することが重要です。
提出書類一覧表の構成
特定技能の提出書類一覧表は、主に次の3つの区分に分かれています。
- 第1表:申請人に関する必要書類
- 第2表の1~3:受入機関(所属機関)に関する必要書類
- 第3表:申請する特定技能の分野に関する必要書類
なお、提出書類一覧表そのものが表紙を兼ねています。第1表についても、一覧表の中で各書類の提出の要否が示されているため、第1表に掲載されている書類をすべて一律に提出するのではなく、「提出の要否」や「留意事項」を確認して、必要な書類を提出します。
基本的に確認・添付する一覧表
特定技能の申請では、まず提出書類一覧表(表紙を兼ねるもの)を用意し、次に第1表、第2表の1~3、第3表について、自分の申請に該当するものを確認します。
- 表紙:提出書類一覧表そのものを使用します。
- 第1表:申請人に関する必要書類を確認します。掲載された書類について、それぞれの「提出の要否」や留意事項を確認して提出します。
- 第2表の1~3:受入機関(所属機関)に関する必要書類を確認します。どの第2表を使用するかは、受入実績や省略要件、法人・個人事業主の別などによって異なります。
- 第3表:申請する特定技能の分野に対応するものを確認します。
📌 「必須」の意味に注意
「第1表が必要」というのは、第1表に掲載されているすべての書類を無条件で提出するという意味ではありません。各書類には提出の要否や条件が記載されているため、申請内容に応じて確認する必要があります。
第3表は申請する分野に対応したものを使用
第3表は、特定技能の各分野について必要となる書類をまとめたものです。
第3表のすべてを提出するわけではなく、今回申請する特定技能の分野に対応する第3表を使用します。
また、特定技能1号と特定技能2号では対象となる分野や必要書類が異なるため、申請する在留資格に対応した一覧表を確認することが重要です。現在、出入国在留管理庁の提出書類一覧表でも、特定技能1号と特定技能2号について、それぞれ異なる第3表が掲載されています。
例えば、特定技能1号の介護分野で申請する場合は、特定技能1号・介護分野に対応する第3表を確認します。特定技能2号の対象分野について申請する場合は、特定技能2号に対応する一覧表から該当分野の必要書類を確認します。
第2表の1~3について
第2表の1~3は、受入機関(所属機関)に関する必要書類を整理したものです。
ただし、第2表の1~3をすべて提出するわけではありません。同一年度内の特定技能外国人の受入実績や、提出書類の省略要件、受入機関が法人か個人事業主かなどによって、使用する第2表が異なります。
第2表の1~3のどれを使用するのか、また受入機関に関するどの書類を省略できるのかについては、次の「提出書類省略要件の確認」で詳しく説明します。
実務のコツ
提出書類一覧表は、書類の一番上にセットするチェックリスト兼表紙として使用します。各書類をそろえたら、一覧表のチェック欄を確認しながら、指定された順番に並べていきましょう。これにより、書類の不足や提出漏れを防ぎやすくなります。
⚠️ 必ず最新の一覧表を使用しましょう
特定技能の申請に必要な書類や提出方法は変更されることがあります。出入国在留管理庁では、2026年8月20日にも「特定技能」に係る提出書類一覧表を改定しています。以前ダウンロードした一覧表をそのまま使用せず、申請の都度、出入国在留管理庁のホームページを確認し、最新の一覧表をダウンロードして使用することが重要です。
🔗 入管HP
在留資格「特定技能」 ← 最新の提出書類一覧表はこちらから確認できます。
提出書類省略要件の確認
特定技能制度では、一定の要件を満たす受入機関(特定技能所属機関)について、受入機関に関する一部の資料の提出を省略できる制度が設けられています。
特に、同一年度内に特定技能外国人を受け入れた実績があるかどうかによって、提出が必要となる資料が異なります。
まずは「同一年度内の受入実績」を確認
申請する時点において、同一年度内に特定技能外国人を受け入れた実績があるかどうかを確認しましょう。
| 受入実績・要件 | 第2表の1 | 第2表の2 | 第2表の3 |
|---|---|---|---|
| 同一年度内に特定技能外国人の受入実績がある | 不要 | 不要 | 不要 |
| 受入実績がないが、省略要件を満たしている法人 ※電子届出システムへの登録が必要 |
提出 | 不要 | 不要 |
| 受入実績がなく、省略要件を満たしていない法人 | 不要 | 提出 | 不要 |
| 受入実績がなく、省略要件を満たしていない個人事業主 | 不要 | 不要 | 提出 |
📌 さらに省略できる第1表の書類
同一年度内に特定技能外国人を受け入れた実績がある場合、または受入実績がなくても所定の省略要件を満たす場合には、申請人に関する書類である第1表のうち、次の2つの書類についても提出を省略することができます。
- 第1-4号 特定技能外国人の報酬に関する説明書
- 第1-16号 雇用の経緯に係る説明書
つまり、「第2表の1~3の省略」と「第1表の一部書類の省略」は、別々に確認するのではなく、受入実績や省略要件を確認する際にあわせて確認すると、提出書類を効率よく整理できます。
「第2表の1・2・3」は何の書類?
提出書類一覧表にある第2表の1~3は、受入機関に関する資料について、どのような書類を提出する必要があるかを整理した一覧表です。それぞれの位置付けは次のとおりです。
- 第2表の1:同一年度内に特定技能外国人の受入実績がない企業が、所定の要件を満たして受入機関に関する資料の提出を省略する場合に提出する書類の一覧表です。
- 第2表の2:法人であって、提出書類の省略要件を満たさず、受入機関に関する資料を省略しない場合に提出する書類の一覧表です。個人事業主は第2表の2の対象ではありません。
- 第2表の3:個人事業主であって、提出書類の省略要件を満たさず、受入機関に関する資料を省略しない場合に提出する書類の一覧表です。
申請者向け|提出書類の判断手順
受入機関に関する資料や申請人に関する一部の資料をどこまで提出する必要があるかは、次の手順で確認すると分かりやすいです。
STEP 1 同一年度内の受入実績を確認
同一年度内に、特定技能外国人を受け入れた実績がありますか?
▶「ある」
第2表の1~3に記載された受入機関に関する資料等をすべて省略できます。さらに、第1表の第1-4号「特定技能外国人の報酬に関する説明書」及び第1-16号「雇用の経緯に係る説明書」も省略できます。
▶「ない」
STEP 2へ進みます。
STEP 2 法人か個人事業主かを確認
受入機関が法人の場合はSTEP 3へ進みます。
個人事業主の場合は、第2表の3に記載された書類を確認します。
STEP 3 法人の省略要件を確認
受入実績がない法人について、所定の省略要件を満たしていますか?
▶「満たしている」
出入国在留管理庁の電子届出システムへの登録を完了したうえで、第2表の1に記載された書類を提出します。第2表の2・3に記載された書類は省略できます。さらに、第1表の第1-4号及び第1-16号も省略できます。
▶「満たしていない」
第2表の2に記載された書類を提出します。第1表の第1-4号及び第1-16号は、原則として通常どおり提出します。
📌 判断のポイント
「受入実績があるか」→「法人か個人事業主か」→「省略要件を満たしているか」の順番で確認すると、受入機関に関する資料だけでなく、第1表の一部資料も含めて、提出すべき書類を判断しやすくなります。
主な省略要件の例
- 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、源泉徴収税額が1,000万円以上ある機関
- 日本の証券取引所に上場している企業
💡 申請前に提出書類を確認しましょう
受入機関に関する資料を省略できるかどうかによって、提出する書類が大きく変わります。また、一定の要件を満たす場合には、申請人に関する第1-4号及び第1-16号も省略できます。特に、同一年度内に受入実績がない企業の場合は、省略要件を満たしているか、電子届出システムへの登録が完了しているかを事前に確認しておきましょう。
省略特例を適切に活用することで、作成・収集する書類のボリュームを削減し、申請準備の負担を軽減することができます。
添付資料の注意点(健康診断、課税納税、源泉、合格証など)
申請書に添えて提出する添付資料には、有効期限や記載内容について細かい注意点が存在します。不備があると差し戻しや追加資料提出通知(再提出)の原因になります。
1. 健康診断個人票(参考様式第1-3号)
- 指定のフォーマット(または同等の診断項目を満たした書式)を使用し、必須項目をすべて受診したうえで、医師の診断・署名・捺印が必須。
- 認定申請(海外から呼出し)の場合は申請前3ヶ月以内、変更申請(国内切り替え)の場合は申請前1年以内に受診したものが有効。
- 胸部X線検査で「異常所見あり」と判定された場合、結核でないことを証明する追加の精密検査(喀痰検査等)の結果添付が必要。
2. 課税証明書・納税証明書
特定技能の申請では、外国人本人に関する税務関係書類と、受入企業に関する税金・社会保険等の納付関係書類をそれぞれ準備する必要があります。
【外国人本人】課税証明書・納税証明書
外国人本人については、原則として直近年度の「課税証明書」と、課税証明書と同じ年度の「納税証明書」を提出します。
課税証明書については、税額だけでなく所得金額も確認できるよう、所得金額が記載された「所得課税証明書」等を取得することが重要です。自治体によって証明書の名称が異なるため、取得する際には、所得金額と住民税の課税額が確認できるものかを確認してください。
また、課税証明書は毎年6月頃を目安に新しい年度へ切り替わります。そのため、7月・8月頃以降に申請する場合には、それまで取得していた年度の証明書ではなく、新年度の課税証明書の提出を求められる場合があります。申請準備を以前から進めていた場合でも、申請時期によって必要な年度が変わっていないか確認しましょう。
また、課税証明書と納税証明書は同じ年度のものをそろえることが重要です。
納税証明書に納期限が到来している未納額が記載されている場合は、そのまま提出するのではなく、原則として未納分を納付し、未納がない状態で納税証明書を取り直すことが重要です。
一方、納期限がまだ到来していない税額については、納税証明書上で納付前の金額が表示されていても、直ちに未納として問題となるものではありません。納期限が到来した未納なのか、納期限未到来の税額なのかを確認することが重要です。
また、非課税のため納税証明書が発行されない場合には、納税証明書を無理に取得するのではなく、非課税であることを確認できる「非課税証明書」等を代わりに提出します。自治体によって証明書の名称や取扱いが異なるため、取得する際には、非課税であることを確認できる証明書かを確認してください。
入国したばかりなどの理由により、対象年度について住民税が課税されておらず、課税証明書や納税証明書が発行されない場合もあります。このような場合には、非課税であることを確認できる証明書を提出するなど、申請時点の状況に応じた対応が必要となります。
【受入企業】税金・社会保険等の納付関係書類
受入企業については、外国人本人の住民税とは別に、企業の税金や社会保険等の公的義務の履行状況を確認するための書類を提出します。
具体的には、申請する受入企業の状況に応じて、次のような書類が必要となります。
- 国税: 法人税、消費税等に関する納税証明書
- 地方税: 法人住民税等に関する納税証明書・納付関係書類
- 労働保険: 労働保険料の納付関係書類
- 社会保険: 健康保険・厚生年金保険等の保険料の納付関係書類
企業側については、すべての企業が同じ書類を一律に提出するわけではなく、受入企業の状況や提出書類の省略要件等によって必要となる書類が異なります。
そのため、実際の申請では、該当する「提出書類一覧表」を確認し、企業側に必要とされている税金・社会保険等の納付関係書類を準備してください。
【本人・企業共通】証明書の発行時期
本人用・企業用のいずれについても、提出する証明書は発行時期に注意する必要があります。原則として、申請時点で有効な最新の証明書を取得し、発行から3ヶ月以内のものを提出するようにしましょう。
⚠️ 本人用と企業用を分けて準備
外国人本人:直近年度の所得金額が記載された「所得課税証明書」+同じ年度の「納税証明書」。非課税等により納税証明書が発行されない場合は、「非課税証明書」等で代替します。
受入企業:法人税・消費税・法人住民税等の「納税証明書」や、労働保険・社会保険等の「納付関係書類」。
3. 源泉徴収票・給与明細および給与振込口座通帳の写し
国内で既に働いている外国人の変更申請や更新申請の場合、公的義務の履行状況や適正な賃金支払の実態を確認するため、源泉徴収票や賃金台帳・給与明細、給与振込口座の通帳の写しなどの提出を求められる場合があります。
特に源泉徴収票については、課税証明書に記載されている収入の年度と一致するものを提出することが原則です。
また、課税証明書に記載された給与収入の金額と、同じ年度の源泉徴収票に記載された支払金額が一致しているかを確認することが重要です。
金額が一致しない場合には、転職や複数の勤務先から給与を受け取っていたことなど、何らかの理由が考えられます。課税証明書と源泉徴収票の金額に差がある場合には、適正な就労・納税が行われているかについて入管から確認を受ける可能性があります。そのため、金額が一致しない場合は、その原因を事前に確認し、必要に応じて入管へ理由を説明できるようにしておくことが重要です。
転職・掛け持ちの場合はすべての源泉徴収票を確認
年度の途中で転職した場合や、複数の勤務先で働いていた場合には、該当年度に発行されたすべての源泉徴収票を提出する必要が生じる場合があります。
例えば、同じ年度にA社からB社へ転職した場合、A社とB社の両方から給与を受け取っているため、A社・B社それぞれの源泉徴収票を確認する必要があります。
また、複数の源泉徴収票を提出するケースでは、納税状況を確認するため、納税証明書(「その3」)の提出を追加で求められる可能性があります。「その3」は、税目について未納がないことを証明するための納税証明書です。
入国したばかりの場合は給与明細等で確認
入国して間もない外国人など、まだ日本での課税対象となる所得が発生しておらず、課税証明書や源泉徴収票を提出できない場合もあります。
このような場合には、源泉徴収票に代えて、賃金台帳や給与明細、給与の振込状況が確認できる資料などの提出を求められる場合があります。
特に更新申請では、これまで実際にどのような給与を受け取っていたのかを確認できる資料が重要となるため、源泉徴収票がないことだけでなく、代替となる資料を準備できるかも確認しておきましょう。
⚠️ 課税証明書と源泉徴収票の金額を必ず確認
課税証明書に記載された給与収入と、同じ年度の源泉徴収票に記載された支払金額が一致しているかを確認しましょう。一致しない場合は、その理由を確認し、事情を説明できる疏明資料を準備しておくことが重要です。
4. 試験合格証または評価調書
- 技能試験・日本語試験の合格証の写し。
- 技能実習からの移行の場合は、技能検定3級等の合格証、または実習実施者が作成した「技能実習生に関する評価調書(参考様式第1-2号)」。
5. 二国間取決めにおいて定められた遵守すべき手続に係る書類
特定技能外国人の受入れにあたっては、日本と外国人の国籍国との間で締結された二国間取決め(協力覚書等)に基づき、国籍国側で所定の手続きを行うことが求められる場合があります。
この手続きに関連して提出される書類は、実務上、「推薦者表」「推薦状」「大使館の推薦状」など、さまざまな呼び方をされることがあります。
- 書類の内容:二国間取決めに基づき、特定技能外国人として日本で就労することについて、国籍国側の所定の手続きを経ていることを確認するための書類です。
- 発行・取得先:手続きや発行・取得先は国籍や手続きの内容によって異なります。在日大使館・領事館等の在日公館や、国籍国の政府機関等が関係する場合があります。
- 現在、提出が必要となる場合がある国:現在、ベトナム国籍及びカンボジア国籍の方について、在留申請の際にこの手続きに係る書類の提出が必要となる場合があります。
- 注意点:書類の取得に一定の期間を要する場合があります。また、必要な手続きや書類は変更される可能性があるため、申請時点での最新情報を確認することが重要です。
⚠️ 申請前に最新の手続きを確認しましょう
「推薦者表」「推薦状」「大使館の推薦状」など、実務上さまざまな名称で呼ばれることがありますが、重要なのは名称ではなく、二国間取決めに基づく所定の手続きを完了し、必要な書類を準備することです。特にベトナム国籍及びカンボジア国籍の方については、在留申請の準備段階で必要な手続きの有無を確認しておきましょう。
様式書類の作成方法
入管が指定する法定参考様式(参考様式第1-1号〜各号)に従い、正確に書類を作成します。主要な様式の作成ポイントは以下の通りです。
1. 特定技能雇用契約書・雇用条件書(参考様式第1-5号・1-6号)
- 報酬額の同等性: 同等の業務に従事する日本人労働者の賃金水準と比較し、「日本人と同等以上」の報酬であることを明記します。
- 一時帰国休暇: 外国人から一時帰国の申出があった場合、有給休暇等の取得を認める旨の規定を必ず盛り込みます。
- 帰国旅費の負担: 本人が帰国費用を負担できない場合、受入企業が帰国費用を負担する旨(帰国担保措置)を規定します。
2. 1号特定技能外国人支援計画書(参考様式第1-17号)
受入企業(または委託を受けた登録支援機関)が実施する「義務的支援」の内容を具体的に記載します。
- 事前ガイダンス(対面またはテレビ電話等で実施、3時間程度)
- 出入国時の送迎(空港から事業所・住居までの送迎、出国時は保安検査場通過の確認まで)
- 住居確保の支援(賃貸契約の連帯保証人になる、または社宅の提供。居室面積は1人当たり7.5㎡以上が必要)
- 生活オリエンテーション(日本の生活ルール、交通マナー、防災、緊急時の連絡先等の説明。8時間以上実施)
- 公的手続きへの同行、日本語学習機会の提供、相談・苦情への対応(母国語での対応体制)
- 日本人との交流促進、転職支援(会社都合解雇時の次の就職先探し)
- 定期的な面談の実施(3ヶ月に1回以上、外国人本人および直接の監督者と面談を実施し、行政機関へ通報)
3. 本人が理解できる言語への翻訳と自署
雇用契約書や支援計画書などは、「申請人本人が十分に理解できる言語(母国語等)」に翻訳した書面を用意し、内容を十分に説明した上で、外国人本人の自署(サイン)を得る必要があります。
「分野別上乗せ書類(協議会加入証明書や事業所認定証等)」
特定技能制度では、全分野共通の基準に加え、各産業分野(省庁)ごとに特定の告示基準(分野別上乗せ要件)が設定されています。共通書類に加えて各分野固有の証明書類を添付しなければ申請は受け付けられません。
| 対象分野 | 分野別の上乗せ書類・必要要件 |
|---|---|
| 介護分野 | ・介護分野特定技能協議会構成員証明書 ・事業所の概要書(人員配置基準・受入枠の確認) ※受入人数制限:日本人常勤介護職員の総数を超えないこと |
| 建設分野 | ・国土交通省による「建設特定技能受入計画認定証」の写し(必須) ・建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者ID・技能者ID登録資料 ※受入人数制限:常勤職員数を超えないこと/報酬は月給制必須 |
| ビルクリーニング分野 | ・建築物清掃業または建築物環境衛生総合管理業の登録証明書(受入営業所単位) ・ビルクリーニング分野特定技能協議会構成員証明書 |
| 工業製品製造業分野 | ・経済産業省の指定する「登録法人」または協議会の構成員証明書 ・受入事業所が対象日本標準産業分類(製造品出荷額等が発生していること)に合致する立証資料 |
| 造船・舶用工業分野 | ・国土交通省(海事局)による「造船・舶用工業事業者確認通知書」の写し ・造船・舶用工業分野特定技能協議会構成員証明書 |
| 自動車整備分野 | ・地方運輸局長による「自動車特定整備事業」の認証書の写し ・自動車整備分野特定技能協議会構成員証明書 |
提出前チェックリスト
出入国在留管理局へ書類を提出・送信する直前に、以下の最終確認チェックを行ってください。不備を未然に防ぐことが審査期間短縮の最大の鍵です。
- ▢ 公的証明書の期限: 住民票、課税・納税証明書、登記事項証明書等は発行から3ヶ月以内か?
- ▢ 健康診断の受診日: 認定申請は3ヶ月以内、変更申請は1年以内の受診になっているか?
- ▢ 署名・押印漏れ: 申請書、雇用契約書、支援計画書、誓約書に本人・代表者の署名漏れはないか?
- ▢ 母国語翻訳の添付: 外国人本人が理解できる言語に翻訳された原本・原本控がセットされているか?
- ▢ 報酬額の条件: 基本給が同等業務の日本人と同等以上(最低賃金以上・月給制等)になっているか?
- ▢ 税金・社会保険の未納解消: 企業側・外国人本人側ともに未納・滞納がないことの証明が取れているか?
- ▢ 分野別上乗せ書類: 各省庁への受入計画認定証や協議会の加入証明書が最新の状態で添付されているか?
新在留カード・認定証の受け取り方法(郵送・窓口・電子)
審査が完了し、無事に許可(または認定)が下りた後の受け取り手続きを行います。
1. 認定申請(COE)の場合(海外からの呼出し)
審査が通過すると、「在留資格認定証明書(COE)」が発行されます。現在はデジタル化に伴い「電子交付(電子COE)」を選択することが可能です。電子交付の場合はメールで届いた通知データを海外の受入外国人へメール送信し、現地日本大使館でのビザ発給申請に使用できます。
2. 変更申請・更新申請の場合(日本国内での手続き)
入管から「許可通知ハガキ(またはメール)」が届きます。
- 窓口受け取り: 許可通知ハガキ、パスポート原本、現在の在留カード原本、手数料分の収入印紙を持参して管轄入管の窓口へ出頭し、新しい在留カードを受け取ります。
- 郵送受け取り(オンライン申請時): オンライン申請を行った場合は、必要書類と納付書、返信用封筒(簡易書留等)を入管へ郵送することで、新しい在留カードを郵送で受け取ることが可能です。
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