特定技能申請の様式書類一覧と作成ルール!必要書類や注意点を初心者向けに解説

特定技能ビザ申請における様式書類の基本ルール

外国人雇用において、出入国在留管理庁(入管)への申請書類に不備や記載漏れがあると、審査の遅延や不許可に直結する大きなリスクが生じます。特に特定技能制度は、受け入れ企業(特定技能所属機関)の適格性や支援体制の透明性が厳格に審査されるため、定められた「参考様式書類」を正確に作成することが不可欠です。

まず、すべての申請書類作成において徹底しなければならない「共通の基本ルール」を押さえておきましょう。

  • 本人が理解できる言語での作成と自筆署名:外国人が署名する書類(雇用契約書、支援計画書、説明書等)は、本人が十分かつ完全に理解できる言語(母国語や対訳)で作成しなければなりません。内容を正しく理解させた上で、必ず外国人本人の自筆署名を得る必要があります。
  • 事実との相違・虚偽記載の厳禁:申請内容に虚偽や事実と異なる記載があった場合、在留資格が許可されないだけでなく、不適正な受入れを行ったとして企業側が欠格事由に該当する恐れがあります。最悪の場合、今後5年間にわたり外国人の受け入れが全面停止される厳しいペナルティを受けることになります。

以下より、特定技能の申請時に提出が必要となる主要な様式書類と、それぞれの作成ポイントを分かりやすく解説します。

参考様式第1-3号(別紙)受診者の申告書

外国人本人が健康診断を受診する際、持病や過去の病歴(既往歴)などを隠さず正確に医師へ申告したことを証明するための書類です。

  • 作成のタイミング(受診後):通院歴、入院歴、手術歴、投薬歴のすべてを医師に正確に伝えたかを確認する書面であるため、必ず健康診断を受診した「後」に作成・署名を行わなければなりません。受診前の日付で作成されたものは無効となります。
  • 言語と署名:申請人が十分に理解できる言語を用いて作成し、本人による自筆署名が必要です。

参考様式第1-4号 特定技能外国人の報酬に関する説明書

特定技能外国人に対して、日本人社員と同等額以上の報酬(給与)を設定している理由およびその決定根拠を客観的に説明する書類です。

  • 比較対象とする日本人社員の決定:同等の技能・職務責任を持つ日本人労働者が社内にいる場合は、その者を比較対象とします。該当者がいない場合は、最も近い職務を担う日本人と比較し、役職・職務内容・責任の程度などの明確な決定根拠を具体的に記載します。
  • 技能実習生からの移行時の取り扱い:技能実習2号を完了した者は概ね3年、3号を完了した者は概ね5年の実務経験者として取り扱う必要があります。そのため、技能実習修了時の給与額を上回ることはもちろん、同等経験を持つ日本人技能者の賃金水準と比較して不当に低くならないよう設定しなければなりません。

参考様式第1-5号 特定技能雇用契約書

特定技能雇用契約書は、受入れ企業(特定技能所属機関)と申請人である外国人との間で、雇用契約を締結することを確認するための書類です。受入れ企業と外国人本人が契約内容を十分に確認し、双方が合意したうえで、受入れ企業が押印し、外国人本人が署名します。

  • 双方の署名・押印を確認:契約内容の確認後、受入れ企業側は所定の箇所に押印し、外国人本人は署名します。署名・押印の漏れがないことを確認したうえで、在留申請に使用します。
  • 外国人本人が理解できるようにする:外国人本人が契約内容を十分に理解できるよう、本人が理解できる言語で内容を説明するなど、契約内容を正しく理解したうえで締結できるようにすることが重要です。
  • 契約書の写し・データを保存しておく:特定技能雇用契約書は、入社時の在留申請だけでなく、その後の在留期間更新申請などでも確認・提出が必要となる場合があります。そのため、署名・押印済みの契約書については、紙の原本だけでなく、PDF等のデータや写しも適切に保存しておくと安心です。

参考様式第1-6号 雇用条件書(別紙「賃金の支払」を含む)

労働時間、休日、給与手当、控除項目などの具体的かつ詳細な労働条件を明示するための書面です。

  • フルタイム要件の確認:特定技能ビザでは原則としてフルタイム雇用が必須となります。「労働日数が週5日以上かつ年間217日以上」、さらに「週の労働時間が30時間以上」の基準を満たしているか確認してください。
  • 変形労働時間制を採用する場合:1年単位の変形労働時間制などを採用している企業の場合、労働基準監督署に届け出済みの協定書の写しや、本人の理解言語で作成した年間労働カレンダーの添付が必要です。

参考様式第1-10号 技能移転に係る申告書

技能実習生などを経て特定技能2号へ移行する際、日本で修得・習熟した技能や知識を将来的に母国へ移転・還元するよう努めることを本人が申告する書類です。

  • 提出対象者の確認(技能実習経験者の特定技能2号申請時):過去に「技能実習」の在留資格(平成22年7月以前の制度による「特定活動(技能実習)」を含む)をもって日本に在留していたことがある者が、「特定技能2号」の許可を受けようとする場合に提出が必要となります。特定技能1号への変更・更新申請など、すべての特定技能申請で提出が必要となるわけではないため、対象者に該当するかを確認しましょう。
  • 趣旨の理解と本人の署名:「将来的な技能移転に努めること」を申告するものであり、実際に帰国した後の成果までを証明させるものではありません。申請人本人が制度の趣旨や申告内容を十分に理解できるよう説明した上で、本人が十分に理解できる言語(母国語や対訳など)で作成した書面に署名してもらうことが重要です。

参考様式第1-11-1号 特定技能所属機関概要書

外国人を受け入れる企業の会社概要、事業内容、売上高、常勤職員数、過去の外国人受入実績などを詳細に申告する資料です。

  • 公的資料との整合性:会社の登記事項証明書、決算書、賃金台帳、労働保険・社会保険の届出書などの公的資料と照らし合わせ、資本金、売上高、常勤従業員数などを正確に記載します。数字の食い違いは審査遅延の原因となります。
  • 自社支援体制の判断基準:登録支援機関に支援を委託せず、受入れ企業自ら支援を行う(自社支援)場合、この概要書に記載された社内体制や過去の雇用実績が重要な判断材料となります。
  • 「非自発的離職者」の有無を確認:特定技能雇用契約を締結する日前1年以内および締結日以降に、特定技能外国人が従事する業務と同種の業務に従事していた労働者を、会社都合による解雇や退職勧奨、希望退職の募集、事業縮小等の理由で離職させていないかを確認します。非自発的離職者がいる場合は、特定技能外国人の受入れに影響する可能性があるため、対象者や離職理由などを事前に確認しておくことが重要です。
  • 外国人の「行方不明者」の発生状況を確認:過去1年以内に、自社で受け入れていた特定技能外国人や技能実習生について、受入れ機関の責めに帰すべき事由による行方不明者を発生させていないかを確認します。賃金不払いや労働関係法令違反など、受入れ機関側の問題が原因となっている場合には、受入れ基準への適合性に影響する可能性があるため、過去の外国人雇用についても確認しておきましょう。
  • 財務状況(債務超過)の確認:直近の決算において債務超過となっている場合には、財務状況を改善できる見通しについて、中小企業診断士や公認会計士などの第三者による評価書など、追加の立証資料が必要となります。特に債務超過が複数期にわたって続いている場合には、税金や社会保険料の納付状況などについても追加資料を求められることがあるため、申請前に必要書類を確認しておくことが重要です。

参考様式第1-16号 雇用の経緯に係る説明書

外国人を採用するに至ったルート(自社直接募集、海外送出機関、国内人材紹介会社など)や、紹介料などの費用の有無・内訳を明示する書類です。

  • 採用ルートおよび関与機関を正確に記載:外国人をどのような経緯で募集・採用したのかを明確にし、自社による直接募集、国内の職業紹介事業者、海外の送出機関・取次機関など、実際に利用した採用ルートを正確に記載します。人材紹介会社や海外の送出機関などが関与している場合は、その正式名称、所在地、代表者氏名、該当する許可番号・届出番号などを漏れなく確認して記載しましょう。
  • 仲介費用・紹介手数料の内訳を明確に記載:受入れ企業が仲介事業者に支払った、または支払う予定の費用について、紹介手数料、送出手数料、現地での選考費用など、費用の総額だけでなく具体的な内訳も正確に記載します。領収書や契約書などによって支払根拠や金額を確認できるよう、採用に関して発生した費用を整理しておくことが重要です。
  • 保証金・違約金契約などの有無を厳重に確認:外国人が特定技能として働くにあたり、仲介事業者や送出機関等と外国人本人またはその親族との間で、保証金の徴収や、離職・契約不履行などを理由とする違約金を定めた契約が締結されていないことを確認します。このような契約がないかを本人にも確認した上で、実際の採用経緯や金銭の授受について正確に申告することが重要です。
  • 本人の理解と署名:記載された採用経緯や費用の内訳等について、本人が十分に理解できる言語で内容を説明し、内容を正しく理解した上で本人の署名を得ることが重要です。

参考様式第1-17号 1号特定技能外国人支援計画書

1号特定技能外国人に対して実施することが法律で義務付けられている「10項目の義務的支援」(事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保、生活オリエンテーション、日本語学習支援、相談苦情対応、定期面談等)の具体的内容や実施体制を定める計画書です。

  • 実施体制の具体化:支援責任者および支援担当者の氏名、相談に対応する言語、各支援の実施予定時間や回数などを具体的に記載する必要があります。
  • 理解言語での合意:本人が理解できる言語で作成し、支援計画の内容を理解させた上で同意の署名を得てください。

参考様式第1-23号 特定技能所属機関の役員に関する誓約書

受入企業(法人)が特定技能外国人の受入れに関する申請を行う際、役員の欠格事由や特定技能外国人の受入れ業務への関与状況などを確認するために提出する書類です。

法人の役員については、原則として住民票の写しの提出が必要となりますが、特定技能外国人の受入れに関する業務の執行に直接関与しない役員については、一定の要件を満たす場合に、本誓約書を提出することで住民票の写しの提出を省略することができます。

  • 「直接関与しない役員」の住民票代替書類:特定技能外国人の受入れに関する業務の執行に直接関与しない役員については、住民票の写しに代えて本誓約書を提出することが認められています。対象となる役員について、受入れ業務に直接関与していないことおよび法令で定められた欠格事由に該当しないことを確認した上で、会社として誓約します。
  • 役員全員を誓約書で代替することはできない:特定技能外国人の受入れ業務に直接関与する役員まで、本誓約書によって住民票の提出を省略することはできません。例えば、代表取締役や特定技能外国人の受入れ業務を担当する役員など、実際に受入れ業務の執行に関与する役員については、必要な住民票の写し等の書類を準備する必要があります。
  • 対象となる役員の範囲に注意:形式上の役職や登記上の名称だけで判断するのではなく、実際の権限や業務への関与状況を確認することが重要です。また、相談役、顧問その他の名称であっても、法人に対して業務を執行する者と同等以上の支配力・影響力を有すると認められる場合には、役員に準じて確認が必要となる場合があります。
  • 欠格事由の確認:対象となる役員について、入管法や関係法令で定められた欠格事由に該当しないかを事前に確認します。過去の刑罰や労働関係法令違反等についても確認し、該当する事情がある場合には、申請前に必要な対応や追加資料の有無を確認しましょう。
  • 役員情報の正確な記載:誓約書を作成する際は、対象となる役員の氏名・役職等を登記事項証明書などの公的資料と照合し、記載漏れや誤記がないように注意します。特に、登記上の役員だけを機械的に確認するのではなく、実際の受入れ業務への関与状況も確認することが重要です。

参考様式第1-25号 登録支援機関との支援委託契約に関する説明書

1号特定技能外国人の支援計画の実施を外部の「登録支援機関」へ委託する場合に、その委託契約の内容や委託費用の額を申告する書類です。

この書類は、登録支援機関に支援業務を全部委託する場合に提出が必要となります。自社で支援を行う場合や一部の支援業務のみを登録支援機関へ委託する場合は、原則として提出の対象とはなりません。

契約年月日・契約期間・事前ガイダンス日の整合性に注意

登録支援機関へ全部委託する場合は、契約年月日、契約期間の始期、事前ガイダンスの実施日などの時系列が整合しているかを確認することが重要です。

原則として、登録支援機関との契約年月日は契約期間の始期日より前となるようにし、また、事前ガイダンスの実施日が登録支援機関との契約期間内に含まれていることを確認しましょう。

例えば、登録支援機関との契約期間が2026年10月1日からとなっているにもかかわらず、事前ガイダンスを2026年9月に実施している場合、契約上は支援業務を開始する前に事前ガイダンスを実施していることになり、書類上の時系列に不整合が生じます。

申請前には、「契約年月日 → 契約期間の始期 → 事前ガイダンス → 雇入れ・入国」など、実際の手続きの流れと各書類に記載された日付が一致しているかを確認しておきましょう。

参考様式第1-32号 2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書

熟練した技能を持つ「特定技能2号」の外国人を受け入れる際、担当する業務内容が高度な熟練技能(自らの判断による専門業務や、現場での指導・管理業務)であることを証明・誓約する書類です。

  • 1号・技能実習生との職務の違いの明確化:単なる現場の定型作業(1号と同等の作業)ではなく、どのような専門的判断や工程管理、後輩への指導業務を行うのかを具体的に記載します。
  • 指導対象者一覧の記載:分野ごとに定められた必要人数(例:製造業分野では2名以上、自動車整備分野では1名以上など)の指導対象社員(同一事業所にフルタイム勤務する日本人や後輩社員等)の氏名、在留カード番号等を正確に記載する必要があります。
  • 虚偽記載のリスク:記載内容に事実と異なる点がある場合、在留資格の取り消しや企業の受入停止(欠格事由)に直結するため、極めて慎重な作成が求められます。

 

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