【2026年最新】特定技能2号の業務内容が厳格化!誓約書提出の義務化と企業が採るべき実務対策

2026年8月20日以降、特定技能2号に関する受入審査手続きにおいて、実務上極めて重要な変更が行われます。出入国在留管理庁(入管)は、2号特定技能外国人の業務内容および指導対象者の実態を厳格に確認するため、新たな添付書類として「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式)」の提出を義務付ける方針を発表しました。

今回の改正により、現場で他の1号特定技能外国人や技能実習生などの指導・監督にあたっていない外国人や、具体的に指導する対象者が存在しない企業においては、「特定技能2号」としての就労、在留資格変更、および在留期間更新が認められなくなるリスクが生じます。

本記事では、企業の外国人雇用担当者様に向けて、今回の入管発表の背景、新様式で要求される指導対象者の要件、産業分野別の必須人数、社内で講じるべき実務対策について、初心者にも分かりやすく網羅的に解説します。

📌 本記事の要点まとめ

  • 2026年8月20日以降の在留申請で「誓約書(新様式)」の提出が必須化
  • 後輩(1号特定技能・技能実習生等)への「具体的な指導体制」がないと2号申請が不許可になる恐れ
  • 指導対象者には「同一事業所・同一部署・フルタイム」などの厳格な適用ルールが存在
  • 特定産業分野ごとに必要な指導対象者の最低人数(1名〜2名以上)が明確化

入管発表の背景:なぜ今「特定技能2号の業務内容」が厳格化されたのか

特定技能制度において、1号と2号では求められる技能水準や現場における役割・責任が大きく異なります。

  • 特定技能1号: 相当程度の知識または経験を必要とする技能(受入後すぐに現場の即戦力となるレベル)
  • 特定技能2号: 長年の実務経験等により身につけた熟達した技能(自らの判断で高度な業務を行い、監督者として現場を統括するレベル)

政府の基本方針および分野別運用方針では、特定技能2号は「複数の作業員を指導する」「工程全体を管理する」といった監督者・リーダーとしての業務を行うことが前提として定められています。

しかし、実際の現場では「1号特定技能外国人や技能実習生と全く同じ単作業のみを行わせている」「名ばかりの2号になっている」といった運用実態が問題視されていました。そのため入管は、申請段階で1号や実習生との職務内容の明確な違いと、具体的な指導対象者の存在を証明・誓約させる仕組みを導入したのです。

「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」の具体的な記載事項

新しく提出が求められる参考様式「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」では、単に「現場リーダーとして雇用します」といった抽象的な説明では許可が下りません。大きく分けて以下の2つの項目を具体的に記入する必要があります。

1. 具体的な職務内容および1号・実習生との職務の違い(第1項)

所属部署、役職・地位、具体的な職務内容(取り扱う製品、担当する作業工程など)を記載した上で、「現場の1号特定技能外国人や技能実習生が従事する業務と、今回の2号外国人の業務とで何が具体的に異なるのか」を分野別運用方針に即して記述しなければなりません。

2. 指導を受ける対象者一覧(第2項)

2号特定技能外国人が現場で直接指導・監督を行う対象者の「氏名(外国人の場合は在留カード番号)」「所属事業所・部署名」「役職または地位」「指導を受ける職務内容」を一覧形式で明記します。

要注意!「指導を受ける対象者」として認められる5つの厳格ルール

誓約書に記載する「指導対象者」には、以下の留意事項(ルール)が厳格に定められています。条件を満たさない対象者を記載した場合、書類の差し戻しや申請不許可の原因となります。

  1. 同一事業所・同一部署・フルタイム限定: 対象者は、2号特定技能外国人と同一の事業所に出勤し、原則として同一の所属部署に所属するフルタイム従業員に限られます。別拠点のスタッフやパート・アルバイトは対象外です。
  2. 重複カウントの禁止: 申請時点で、すでに「他の2号特定技能外国人」の指導対象者として登録されている従業員を、新たに申請する2号外国人の指導対象者として重複記載することはできません。
  3. 虚偽記載に対する厳しいペナルティ: 誓約書に記載した内容と実際の配置・実態が異なる場合、在留資格が取り消される可能性があります。また、虚偽記載を行った受入企業(特定技能所属機関)は「欠格事由」に該当し、以降一定期間(原則5年間)新しい外国人を受け入れられなくなります。
  4. 申請時の許否に直結: 在留資格認定証明書交付申請(認定)や在留資格変更許可申請(変更)、在留期間更新許可申請(更新)の審査結果に直接影響します。
  5. 対象者が複数いる場合の全掲載: 該当する対象者が複数存在する場合には、様式の枠を追加して全員分を正確に記載する必要があります。

産業分野別に必要な「指導対象者」の最低人数一覧

誓約書において記載が求められる指導対象者の必要人数は、特定産業分野ごとに設定されています。規定の人数を満たせない場合、2号としての受入要件を満たさないと判断される恐れがあります。

特定産業分野 必要な指導対象者数 現場での運用上のポイント
ビルクリーニング分野 2名以上 現場清掃作業における複数の作業員への指導・管理体制が必要
工業製品製造業分野 2名以上 製造ライン・作業工程における指導・工程管理体制が必要
建設分野 2名以上 施工現場における職長・班長としての実質的な指導実績が必要
造船・舶用工業分野 2名以上 作業指揮、安全管理、技術指導体制が必要
自動車整備分野 1名以上 点検・分解整備等における技術指導・確認体制が必要
航空分野(空港グランドハンドリング) 1名以上 地上支援業務における手順指導・安全管理体制が必要
宿泊分野 2名以上 フロント・客室・接客業務等における実務指導体制が必要
農業分野 2名以上 栽培管理・飼育管理作業等における指導体制が必要
飲食料品製造業分野 2名以上 食品製造ラインや衛生管理手順の指導体制が必要
漁業分野 / 外食業分野 規定なし(不在でも可能) 指導対象者が不在でも申請可能(在籍する場合は記載必須)

※必要人数の定めがない分野・区分においても、実際に同一部署で指導を受ける従業員が在籍している場合は、必ず誓約書に対象者を記載する必要があります。

受入企業の担当者が今すぐ進めるべき実務対応ステップ

2026年8月20日以降の申請で慌てないために、企業雇用担当者様は以下の3ステップで速やかに社内体制の点検と整備を行ってください。

ステップ1:対象外国人の役職および職務内容の見直し

現在2号への変更を予定している外国人や、すでに2号で就労中で更新を迎える外国人に対し、社内での立ち位置を明確にします。「班長」「主任」「チームリーダー」といった役職を付与し、実際に工程管理や指導業務を行わせるシフト・組織配置へと変更します。

ステップ2:指導対象者(1号・実習生・日本人等)の確認と整理

同一事業所・同一部署内でフルタイム勤務している後輩スタッフ(1号特定技能外国人、技能実習生、日本人若手社員など)をリストアップします。他の2号外国人の指導対象者と重複していないかも併せて社内チェックします。

ステップ3:社内実態と申請書類の一致・ジョブディスクリプションの改定

出入国在留管理庁が公開している「特定技能2号の各分野の仕事内容(Job Description)」および入管の参考様式を確認し、自社の雇用契約書、就業規則、業務指示書の内容と矛盾がないか確認・改定を行います。

よくある質問(FAQ)

Q1. 指導を受ける対象者は外国人でなければなりませんか?日本人の後輩でも対象になりますか?

A. 日本人従業員でも問題ありません。「同一事業所・同一部署でフルタイム勤務している者」という要件を満たしていれば、国籍に関わらず指導対象者として記載することが可能です。

Q2. 申請時に記載した指導対象者が退職してしまった場合、どうなりますか?

A. 退職したことだけで即座に在留資格が取り消されるわけではありません。ただし、企業としては適切な指導体制を維持する義務があるため、速やかに新しい指導対象者を配置し、社内体制を再整備する必要があります。

Q3. この誓約書の様式はどこで取得できますか?

A. 出入国在留管理庁の公式Webサイトにある「特定技能関係申請様式」ページよりダウンロードして入手可能です。

まとめ:制度改正に迅速に対応し、安心・安全な雇用管理を

今回の入管発表は、特定技能2号制度の適正な運用と、現場での実質的な指導者レベルの技能担保を目的とした厳格化です。「既存の提出書類で大丈夫だろう」と不備を残したまま申請すると、追加書類の提出指示による審査の大幅な遅れや、最悪の場合は不許可処分・欠格事由に該当するリスクが生じます。

制度の改定内容を正しく理解し、自社の就労環境および指導体制を早期に整えておくことが重要です。


「知らなかった」では済まされないリスクから会社を守るために。
当法人では、外国人雇用に関する最新情報や実務ポイントをお届けする無料メールマガジンを配信しています。

ぜひこの機会にご登録いただき、安心・安全な外国人採用にお役立てください。

Privacy Preference Center