【最新改定】特定技能2号申請で「業務内容に関する誓約書」提出が義務化!書き方と注意点を行政書士が徹底解説
出入国在留管理庁より特定技能制度の運用要領が更新され、特定技能2号の手続きにおいて実務上非常に重要な変更が行われました。今回の更新で最も注目すべき最大の変更点が、申請時における「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書(参考様式第1-32号)」の提出義務化です。
2号特定技能外国人の在留資格認定証明書交付申請(COE)や在留資格変更許可申請を行う際には、対象者が行う業務が「熟練した技能」を要するものであること、そして現場での役割や指導体制が従来(1号や技能実習)とどう異なるのかを明確に誓約・申告しなければならなくなりました。
本記事では、企業の外国人雇用担当者様や受入れ機関の皆様に向けて、新設された誓約書の概要から実際の記載ポイント、そして審査で不許可にならないための厳格な注意点までを分かりやすく解説します。記事内には記入例(PDF)のダウンロードリンクもご用意していますので、ぜひ申請実務にお役立てください。
目次
Toggleなぜ今「業務内容の誓約書」が必要なのか?運用要領更新の背景
特定技能2号は、長年の実務経験などを通じて身につけた「熟練した技能」を持つ外国人のための在留資格です。1号特定技能外国人のように義務的支援(支援計画)を行う必要がない一方、現場では自らの高度な判断に基づき業務を遂行し、監督者・指導者として現場を統括するレベルが求められます。
しかし、従来の申請においては「実態として1号外国人や技能実習生と同じ単純作業を行わせているのではないか」「2号としての熟練性や指導的役割が現場で確保されているかが客観的に証明されていない」といった懸念が出入国在留管理庁側で問題視されていました。
そこで今回の運用要領改定により、申請段階で「分野別方針や要領別冊で定められた2号の業務内容と相違ないこと」を受入れ企業(特定技能所属機関)と外国人本人の連名で誓約・申告させる手続きが正式に義務付けられました。
2号誓約書(参考様式第1-32号)の基本構成と記載のポイント
「2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書」は、大きく分けて「1. 当該2号特定技能外国人の業務内容」と「2. 当該2号特定技能外国人に指導を受ける対象者一覧」の2つの欄で構成されています。まずは前半の「業務内容」の記載ポイントを確認しましょう。
所属部署名および役職・地位
外国人本人が実際に所属する現場の部署名と、社内での役職・地位を記載します。
- 所属部署名の例: 製造部 そう菜製造課(第一ライン)、建設事業部 工務課 など
- 役職・地位の例: 製造ラインリーダー(班長)、現場作業長、班長代理、作業主任 など
単に「社員」「作業員」とするのではなく、現場で指導・統括する立場であることが一目でわかる役職名を記載することが重要です。
主たる業務(熟練技能業務の内容)
マニュアル通りの定型作業ではなく、自らの高度な判断に基づき行う熟練業務の内容を具体的に記載します。
例えば外食や飲食料品製造業であれば、単に「調理」「製造」と書くのではなく、「スチームコンベクションオーブンの中心温度や加熱時間の最終決定」「調味比率の調整・最終決定」など、どの工程でどのような高度な判断を行っているかを明記します。また、原材料の品質管理や工程(納期・コスト)管理の補助業務なども含めて具体的に記述します。
関連業務(付随的な業務)
主たる業務に付随して行う関連作業について記載します。日本人の同等労働者が通常従事することとなる関連業務に一部従事させることは可能ですが、関連業務がメインになってはなりません。
(例)作業開始・終了後の調理器具の分解洗浄、作業室内の衛生清掃、完成した製品の仕分け・運搬などの付随業務。
1号特定技能外国人や技能実習生との職務内容の違い【審査の最重要点】
入管審査において最も厳しくチェックされる項目です。同じ現場で働く1号外国人や技能実習生の業務と、今回申請する2号外国人の業務がどう違うのかを対比して明確に説明する必要があります。
| 区分 | 従事する職務内容と判断の範囲 |
|---|---|
| 技能実習生・1号特定技能外国人 | 主に作業手順書(マニュアル)に沿った定型的・指示された作業(原材料の単純な下処理、盛り付け、梱包など)に従事。 |
| 2号特定技能外国人(申請人) | 単なる定型作業には従事せず、製造ライン全体の工程管理や衛生・安全管理(CCPの温度測定値の確認と記録)を自らの判断で実行。機器トラブル時の初期判断、メンバーへの技術指導・労務安全管理をトータルで統括・指導する立場として職務を遂行する。 |
指導を受ける対象者一覧の書き方と厳格な注意点
誓約書の「2. 当該2号特定技能外国人に指導を受ける対象者一覧」欄では、2号外国人が現場で誰に対して指導を行っているかを具査・申告します。この欄の記載にあたっては、以下の要件を満たしているか厳格に確認しなければなりません。
1. 「リーダー」「班長」「主任」などの役職発令と管理実態が必要
2号特定技能外国人には、事前に社内で「リーダー」「班長」「主任」といった何らかの役職を命じておく必要があります。単に書類上だけの名目的な役職ではなく、現場での工程管理、安全衛生管理、技術指導、現場トラブル時の判断など、管理業務に主体的に関わっている実態が必要不可欠です。
2. 指導対象者は同一事業所・同一所属部署で、原則フルタイムの常勤従業員
指導対象者として記載できる人物は、2号外国人と同じ事業所に出勤し、原則として同じ所属部署に所属する人物に限られます。さらに、雇用形態は原則としてフルタイムの常勤従業員(日本人または他の外国人)でなければなりません。パートタイムや短時間労働者を対象者に含めることは原則認められません。
3. 分野ごとに決められた「必要な対象者数」をクリアすること
特定産業分野ごとに、誓約書に記載すべき指導対象者の「最低人数」が定められています。申請にあたっては、この人数要件を確実にクリアしていなければなりません。
| 特定産業分野 | 必要な指導対象者数 |
|---|---|
| ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業 | 2名以上 |
| 自動車整備、航空(空港グランドハンドリング区分) | 1名以上 |
※必要な対象者数の定めがない特定産業分野や業務区分(または対象者が不在の場合)であっても、実際に対象者が在籍している場合は必ず記載しなければなりません。
4. 他の特定技能2号人材の指導対象者と重ならないこと(重複禁止)
記載する指導対象者は、他の特定技能2号人材の指導対象者と重複してはなりません。申請時点で既に他の2号特定技能外国人から指導を受けている人物を、重ねて別の2号外国人の指導対象者一覧に記載することは不可とされています。
5. 外国人を指導対象者にする場合は在留カード番号を記載
指導を受ける対象者が外国人(技能実習生や1号特定技能外国人など)である場合は、氏名・所属・役職に加えて、「在留カード番号」の記載が必須です。記入漏れがないよう注意してください。
不許可リスク・欠格事由を防ぐための申請上の注意点
この誓約書は、在留資格認定証明書(COE)の交付や在留資格変更許可の許否に大きく影響する非常に重要な書類です。作成・申請時には以下の点に厳重にご注意ください。
虚偽記載や事実との相違は欠格事由・在留資格取消しになる
記載内容と実際の内容に相違がある場合、外国人の在留資格が取り消される可能性があるほか、虚偽の内容を記載した場合は特定技能所属機関としての「欠格事由」に該当することとなります。
欠格事由に該当すると、受入れ企業は今後一定期間(原則5年間)特定技能外国人を受け入れられなくなるという、経営上極めて重いペナルティを受けることになります。
複数該当する場合はすべて記載し、枠が足りない場合は適宜追加する
事業所、事業内容、所属部署、役職、職務内容などで複数該当するものがある場合は、すべての内容を漏れなく記載する必要があります。また、記入枠が足りない場合は、適宜枠を追加・拡張して作成してください。
2号特定技能外国人(申請人)本人の署名が必須
書類の末尾には、作成年月日、特定技能所属機関の名称・代表者名の記名押印に加え、「2号特定技能外国人(申請人)本人の自署(署名)」が必須です。外国人本人が自らの職務内容や指導役割、誓約内容を日本語等で正しく理解した上で署名を行う必要があります。
【公式様式ベース】2号特定技能外国人 業務内容誓約書の記載例(PDF)
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参考様式第1-32号 記入用サンプル資料
📄 記載例:2号特定技能外国人の業務内容に関する誓約書をダウンロード
※クリックすると新しいタブでPDFが開きます。
まとめ:正確な実務と法令遵守で安心の外国人採用を
特定技能制度は人手不足を解消する強力な選択肢である一方、運用要領の更新や実態審査の厳格化が頻繁に行われる制度です。今回の「業務内容に関する誓約書」のように、実務上の変更点をいち早く把握し、1号との職務内容の違いや指導管理体制を正確に文章化・証明することが、審査をスムーズに通過させるための鍵となります。
当法人では、特定技能制度をはじめとする外国人雇用専門の行政書士が、申請手続きの代行から社内管理体制の構築まで幅広くサポートしております。「自社の2号申請書類の書き方に不安がある」「職務内容の違いや指導体制の文章化に困っている」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
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