【参考様式第1-4号】特定技能外国人の報酬に関する説明書の書き方!賃金規程がない企業の文例も解説

特定技能外国人の受入れ手続きにおいて、出入国在留管理庁(入管)へ提出する書類の一つが「特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)」です。

この書類は、特定技能外国人に支払う報酬が「同等の技能を有する日本人労働者と同等額以上であること」を論理的かつ客観的に立証するために作成します。

「比較対象となる日本人はどう選べばいい?」「自社に賃金規程がない場合はどう書けばいい?」といった不安を抱える企業の採用・人事担当者様も多いのではないでしょうか。

本記事では、外国人雇用の実務に詳しい行政書士の視点から、参考様式第1-4号の正しい作成手順、日本人労働者の選定パターン、賃金規程がない企業の具体的な記入例(文例)、チェックポイントまで網羅して徹底解説します。

1. 特定技能外国人の報酬説明書(参考様式第1-4号)とは?

特定技能制度では、外国人であることを理由に不当に低い報酬を設定することが固く禁止されています。

入管法および特定技能基準省令において、特定技能外国人の報酬額は「日本人が従事する場合の報酬額と同等以上」でなければならないと定められているためです。

💡 参考様式第1-4号が必要とされる背景

出入国在留管理庁は、単に契約書上の金額を見るだけでなく、「なぜその報酬額に決定したのか」という客観的な根拠や算定プロセスを審査します。その立証資料として提出を求められるのが「参考様式第1-4号」です。

作成時に遵守すべき4つの注意点

  1. 比較対象とする日本人労働者の適切な選定
    自社の状況に応じて、任せる職務内容や責任の程度が同じ日本人労働者を比較対象として選定し、給与水準が同等以上であることを明記します。
  2. 経験年数の適切な反映(技能実習生等からの移行時)
    技能実習2号修了者は「概ね3年」、技能実習3号修了者は「概ね5年」の実務経験を有する技能者として取り扱う必要があります。自社で雇用していた技能実習生を継続採用する場合、技能実習時の最終報酬を上回ることは前提であり、同等の経験年数を積んだ日本人技能者の報酬額と比較して適切に設定します。
  3. 報酬額の決定根拠および差額理由の客観的説明
    比較対象の日本人労働者と基本給や手当に差がある場合は、年齢、勤続年数、保有資格、役職の違いなど、合理的な理由を明確に説明しなければなりません。
  4. 雇用条件書(参考様式第1-6号)や賃金台帳との完全な整合性
    参考様式第1-4号に記入する基本給、諸手当、支給条件などは、雇用条件書(参考様式第1-6号)や特定技能雇用契約書(参考様式第1-5号)の記載と完全に一致させる必要があります。

2. 比較対象となる日本人労働者の選定パターン(3つのパターン)

外国人の報酬額が「日本人と同等額以上」であることを証明するため、自社の状況に応じて以下の3つのパターンのいずれかを選定・説明します。

選定パターン 選定基準とポイント
パターン①
同等の日本人社員がいる場合
同じ事業所で、外国人と同じ業務・職務責任を担う日本人社員を選定します。技能実習修了者の経験年数(2号:概ね3年、3号:概ね5年)をカウントし、同程度の経験年数を積んだ日本人社員と比較します。
パターン②
同等社員はいないが「賃金規程」がある場合
同じ職務の日本人社員がいない場合でも、自社に賃金規程や給料表がある場合は、その規程(等級・号俸・経験年数の基準)に照らして外国人の格付けおよび報酬額を決定・説明します。
パターン③
同等社員もおらず「賃金規程」もない場合
小規模事業者などで同等社員も賃金規程もない場合は、「最も近い職務を担う日本人社員」を比較対象として選定します。その上で、職務内容や責任の程度の違いを考慮して報酬額を決定した理由を説明します。

3. 【パターン別】賃金規程がない企業における決定理由の書き方例(例文)

小規模企業や創業間もない企業では「賃金規程(就業規則の賃金条項)」がないケースも少なくありません。その場合は、比較対象として選んだ日本人社員と特定技能外国人との「職務内容の差」「責任の程度の差」「経験・資格の差」を対比させて理由を記載します。

実務でそのまま使える具体的な文例をケース別にご紹介します。

例A:経験の浅い日本人社員(入社1〜2年目)を比較対象とする場合

【想定状況】 現場に若い日本人社員しかおらず、外国人(技能実習2号修了者)の方が実務経験・技能が高いケース。

【決定理由の記載例】

「比較対象者A(日本人)は入社2年目であり職務経験が少ないが、本外国人(特定技能1号)は技能実習2号を良好に修了し、同種業務について通算3年以上の実務経験を有しており、指導なしで作業を完遂できる技能を有している。そのため、比較対象者Aの基本給(月額〇〇万円)に、3年の経験・技能に対する評価分(〇〇円)を加算し、月額〇〇万円と決定した。」

例B:ベテラン日本人社員(経験5〜10年)を比較対象とする場合

【想定状況】 現場にベテラン日本人社員しかおらず、その日本人は現場管理や指導業務も兼ねているケース。

【決定理由の記載例】

「比較対象者B(日本人)は勤続7年であり、現場実務に加えて工程管理および後輩への指導監督業務を担当している(基本給月額〇〇万円)。本外国人(特定技能1号)は指示に基づく現場実務全般を担当し、管理・監督業務までは行わないため、比較対象者Bの報酬から監督業務・役職相当分を除いた給与水準(月額〇〇万円)と同等以上に設定した。」

例C:類似の別職種(事務・サポート職等)の日本人社員を比較対象とする場合

【想定状況】 現場の技能作業員に日本人がおらず、事務所や出荷サポートを担当する日本人社員と比較するケース。

【決定理由の記載例】

「自社内に同一の現場技能作業に従事する日本人社員がいないため、現場の出荷・軽作業を一部兼務する日本人社員C(一般事務・作業担当、勤続3年)を比較対象とした。本外国人は専門的な技能を要する現場実務を主として担当するため、日本人社員Cの基本給(月額〇〇万円)と同等以上の給与(月額〇〇万円)を設定した。」

4. 作成時・申請時の実務チェックポイント

参考様式第1-4号を作成・提出する際には、以下の実務上の注意点を必ず最終確認してください。

  • 賃金台帳の添付・確認
    申請時には、比較対象として指定した日本人社員の直近の賃金台帳(実際の支給実績が確認できるもの)の確認・提出が求められる場合もあります。書類上の記載と実際の支給額が一致しているか確認しましょう。
  • 技能実習時の最終給与の確認
    自社で雇用していた技能実習生を特定技能1号へ移行させる場合、技能実習時の最終報酬額(基本給・手当)を上回っていることが必須条件となります。
  • 他書類(参考様式第1-5号・1-6号)との数値一致
    基本給、手当の内訳、締め日・支払日、固定残業代の有無など、提出するすべての契約書類で数値が完全一致しているかダブルチェックを行いましょう。

5. まとめ:外国人雇用に関するご相談は行政書士法人へ

「特定技能外国人の報酬に関する説明書(参考様式第1-4号)」は、単に数値を記入するだけでなく、自社の賃金体系や職務内容を整理した上で、入管審査官に対して説得力のある説明を行う必要があります。

記載内容に不備や矛盾があると、追加資料の提出(差し戻し)を求められたり、審査期間が大幅に長引いたりするリスクがあります。

当行政書士法人では、特定技能外国人のビザ申請・自社支援の構築・書類作成のサポートを行っております。お困りの際はお気軽にご相談ください。


「知らなかった」では済まされないリスクから会社を守るために。
当法人では、外国人雇用に関する最新情報や実務ポイントをお届けする無料メールマガジンを配信しています。

ぜひこの機会にご登録いただき、安心・安全な外国人採用にお役立てください。

その他の記事

特定技能の在留申請における健康診断票の注意点【企業担当者向け】

特定技能の外国人を採用する際に提出が求められる「健康診断票」。入管指定様式の記入漏れや期限切れは申請遅延の原因になります。企業担当者が押さえるべき注意点や、スムーズな申請準備のコツを解説します。…

押印がいらなくなる?入管の新たな規定

ビザ申請書類で必須だった押印のほとんどが不要に。在留資格認定証明書・更新・変更申請書などが対象。特定技能ビザでも押印削減が進み、企業の手間軽減が期待されます。…

資格外活動許可って? 28hルールって?

よく、コンビニなどで見た感じ20代前半くらいの外国人が働いているのを都内ではよく見かけます。最近ではほとんどが外国人になってきていると実感しています。…

Email Newsletter

まずは気軽にメルマガで情報をGET!最新情報を受け取る

特定技能を中心とした在留資格(ビザ)や入管手続きに関する最新情報を、メールマガジンにて定期的にお届けしています。制度改正や審査の傾向、申請実務で役立つポイントなど、行政書士法人ならではの専門的な内容をわかりやすく解説。企業のご担当者様から個人のお客様まで、幅広い方々にご活用いただいております。

・最新の入管制度改正情報をいち早くキャッチ・ビザ申請に役立つ実務ノウハウを無料で配信・セミナーや相談会などのご案内を優先的にお知らせ

メルマガ登録

その他の項目

東京都世田谷区梅丘1-23-5 ファインビル3F
shinsei@ex-stan.com
050-8881-6573

©2025 Exstan行政書士法人. All Rights Reserved.

Privacy Preference Center