【行政書士監修】特定技能「建設分野」受入れ完全ガイド!国交省認定・有料職業紹介禁止・1号2号の違いまで徹底解説

人手不足が深刻化する建設業界において、即戦力・幹部候補として期待される外国人材を受け入れられる在留資格「特定技能(建設分野)」の活用が急速に進んでいます。しかし、採用や労務を担当される企業の皆様からは「国交省の受入計画認定とは何か?」「有料職業紹介が禁止されている噂は本当か?」「1号と2号で業務内容や必要な就業日数にどう違いがあるのか?」といった疑問が数多く寄せられます。

この記事では、建設企業の外国人雇用担当者様に向けて、行政書士法人の実務目線から特定技能「建設分野」の概要、国土交通省の受入計画認定、有料職業紹介禁止の注意点、1号と2号の業務内容や移行要件(職種ごとの必要日数)までを徹底解説します。

この記事でわかること(目次)

  • 特定技能「建設分野」の基礎知識と制度の概要
  • 建設分野特有の必須手続き!国土交通省(国交省)の受入計画認定とは
  • 【重要注意点】建設分野は有料職業紹介が禁止!人材受入れ・費用の注意点
  • 特定技能「建設」で従事可能な業務内容(土木・建築・ライフライン設備)
  • 特定技能「1号」と「2号」の違いを比較(在留期間・家族帯同・技能レベル)
  • 特定技能1号から2号へ!移行要件と職種別の必要就業日数
  • 受入企業(特定技能所属機関)が遵守すべき法令・コンプライアンス上の注意点

特定技能「建設分野」とは?制度の基礎知識

「特定技能」は、国内人材の確保が困難な産業分野において、一定の専門性や技能を持つ外国人を受け入れるために設けられた在留資格です。「建設分野」はその対象分野の1つとして位置づけられています。

建設現場では、技能実習からの移行や特定技能評価試験の合格者を中心に、現場の第一線で活躍する外国人材の受け入れが積極的に行われています。

受入可能な企業・現場の条件

特定技能外国人を建設分野で雇用するためには、受入企業(事業所)が以下の基本要件を満たしている必要があります。

  • 建設業法第3条第1項の許可を受けていること(建設業許可の保有)
  • 建設キャリアアップシステム(CCUS)に事業者登録・技能者登録を行っていること
  • 国土交通省が設置する「建設特定技能受入計画」の認定を取得していること(※1号の場合)
  • 特定技能外国人受入事業実施法人(JAC等)またはその構成団体に加入していること

建設分野特有の必須手続き!国土交通省の受入計画認定とは

他の特定技能分野(外食や飲食料品製造業など)と建設分野の最大の相違点は、「出入国在留管理局(入管)へのビザ申請前に、国土交通省から『建設特定技能受入計画』の認定を受けなければならない」という点です。

建設特定技能受入計画の主な認定要件

国土交通大臣の認定を受けるためには、以下の適正な就労環境・待遇に関する基準をクリアする必要があります。

日本人と同等額以上の報酬安定支給と月給制の採用
同等の技能を有する日本人と同等額以上の給与を支払うことが義務付けられており、天候等による現場稼働休止の影響を受けないよう「月給制」での支払いが原則となります。

受入人数の枠制限(枠ハメ要件)
1号特定技能外国人の人数は、特定技能所属機関の常勤職員数(外国人技能実習生および1号特定技能外国人を除く)を超えてはならないという人数枠制限が設けられています。

建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
事業者IDの取得および就労する特定技能外国人の技能者ID登録・カード発行が必須条件となります。

就労環境の受入後巡回指導への協力
国土交通省から委託を受けた適正就労監理機関による巡回訪問や指導・助言を受け入れる必要があります。

【重要注意点】建設分野は有料職業紹介が禁止!人材受入れ・費用の注意点

建設業界で外国人採用を進める上で、企業担当者様が最も注意しなければならないのが「建設業務における有料職業紹介の禁止」です。

建設業務での有料職業紹介は法律で禁止されている
職業安定法および建設労働者の雇用の改善等に関する法律(建設労働法)の規定により、建設現場で直接作業を行う建設業務については、民間の有料職業紹介事業者によるあっせん(紹介)が禁止されています。

そのため、一般の人材紹介会社(有料職業紹介所)が企業から「紹介手数料(成功報酬)」を受け取って特定技能外国人を紹介することはできません。

実務上どのように人材確保と契約・支払いを行うか?
建設分野での特定技能外国人の確保やサポートにおいては、主に以下の仕組みがとられます。

  • 公的な職業紹介(ハローワーク等)や受入事業実施法人の活用:
    公共職業安定所(ハローワーク)や、国交省の登録を受けた受入事業実施法人(JAC等)を通じた無料職業紹介を活用します。
  • 支援委託料としての支払い:
    登録支援機関へ依頼する場合、職業紹介の対価(あっせん手数料)としてではなく、入国前の手続きや生活オリエンテーション、支援計画作成、定期面談などの「特定技能1号外国人支援計画の実施に伴う支援委託料(サポート費用)」として月額等の費用を支払う形が一般的かつ適法な運用となります。

※「求人紹介料」という名目で不当な費用請求を行う悪質なブローカーや紹介業者と契約してしまうと、法令違反に問われるリスクがあるため十分ご注意ください。

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特定技能「建設」で従事可能な業務内容(1号・2号の違い)

建設分野の業務区分は、制度改定により再編され、現在は主に「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つの業務区分に整理されています。

1号と2号の業務内容・求められる役割の違い

業務区分 特定技能1号の業務内容 特定技能2号の業務内容
土木 指導者の指示・監督を受けながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業等(型枠、コンクリート圧送、建設機械施工、土工、鉄筋、とび等)に従事。 複数の建設技能者を指導しながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業等に従事し、工程・現場を管理(班長・職長レベル)。
建築 指導者の指示・監督を受けながら、建築物の新築、増築、改築、修繕等に係る作業等(型枠、左官、屋根ふき、鉄筋、内装仕上げ、建築大工、建築板金等)に従事。 複数の建設技能者を指導しながら、建築物の新築、増築、改築、修繕等に係る作業等に従事し、工程・現場を管理(班長・職長レベル)。
ライフライン・設備 指導者の指示・監督を受けながら、電気通信、ガス、水道、電気等の整備・設置、変更又は修理に係る作業等(配管、ダクト、保温保冷等)に従事。 複数の建設技能者を指導しながら、電気通信、ガス、水道、電気等の整備・設置、修理等の作業に従事し、工程・現場を管理(班長・職長レベル)。

付随業務(関連業務)について
主たる業務(土木・建築・設備作業)に従事する日本人が「通常従事することになる関連業務」であれば、付随的に従事させることが認められています。

  • 資材・材料の搬入・運搬・配置作業
  • 作業現場の片付け・清掃・整理整頓
  • 機器・装置・工具等の点検・簡単な保守管理
  • 足場の組立て・解体や前後の準備作業

※注意点:単なる清掃や資材運搬などの「関連業務」のみに専ら従事させることは認められません。あくまで該当区分の施工業務が主たる作業となります。

特定技能「1号」と「2号」の違いを一覧比較

特定技能1号と2号では、在留期間の上限や家族帯同の可否、現場で担う期待役割が大きく異なります。

比較項目 特定技能1号(建設) 特定技能2号(建設)
技能水準 相当程度の知識・技能(即戦力レベル) 熟練した技能(複数技能者を指導し工程管理する班長レベル)
在留期間の上限 通算で最長5年まで 上限なし(更新により長期雇用・永住申請も可能)
家族の帯同 原則不可(配偶者や子の呼び寄せ不可) 可能(要件を満たせば配偶者・子を帯同可能)
受入人数の制限 あり(常勤職員の総数枠以内) なし(人数枠制限の対象外)
必要要件(試験等) 1号評価試験 + 日本語試験(N4以上)
※技能実習2号良好修了者は免除
2号評価試験(または技能検定1級)
+ 職種別の実務経験日数(職長・班長立場)

特定技能1号から2号へ!移行要件と職種別の必要就業日数

1号特定技能外国人や熟練した技能者を「特定技能2号」へステップアップさせるための要件と手続きの流れを解説します。

2号移行・取得に必要な要件
建設分野で特定技能2号を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 建設分野特定技能2号評価試験(または技能検定1級等)への合格:
    該当する業務区分(土木・建築・ライフライン設備)の2号評価試験または対象職種の技能検定1級等に合格すること。
  2. 現場での班長・職長としての実務経験(就業日数):
    建設現場において、複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験が必要です。

【重要】職種・業務区分によって2号要件(必要就業日数)が異なる
特定技能2号への移行に必要な「班長としての実務経験」は、業務区分に対応する建設キャリアアップシステム(CCUS)の職種ごとの能力評価基準(レベル3相当の就業日数)によって判断されます。

基本的には「就業日数(職長・班長立場での就業)が3年(645日)以上」が標準的な基準となりますが、職種によっては能力評価基準に基づき、求められる必要就業日数が異なります(例:一部職種ではレベル3基準として1年/215日以上の積上げ等で要件を満たす場合など)。

対応する能力評価基準がある職種については、CCUSの能力評価で「レベル3(青色カード)」を取得することにより、2号実務経験の客観的立証が可能となります。そのため、日頃からCCUSに「職長・班長立場」としての就業履歴を正しく蓄積させておくことが極めて重要です。

🔗 国土交通省

2号要件職種別必要日数

2号移行手続きの具体ステップ

  • ステップ1:現場での職長・班長経験の付与とCCUS就労履歴蓄積
    現場で複数作業員の指導・進捗管理を行う班長としての役割を与え、CCUS等に就労実績を正しく蓄積させます(職種に応じた必要就業日数の確保)。
  • ステップ2:建設分野特定技能2号評価試験の受検・合格
    実務経験の条件を満たした段階で、本人に2号評価試験(または技能検定1級等)を受検させ合格を目指します。
  • ステップ3:雇用契約の変更・改定(熟練待遇への昇給)
    2号へ昇格するにあたり、熟練技能者・現場指導者に応じた適切な給与・待遇への改定を行い、新しい雇用契約を締め直します。
  • ステップ4:出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請
    2号試験合格証、CCUS評価結果通知書等による実務経験証明書、新雇用契約書等を揃えて、入管へ「特定技能1号」から「特定技能2号」への変更許可申請を行います。

受入企業(特定技能所属機関)が遵守すべき法令・コンプライアンス上の注意点

建設分野における特定技能外国人の受け入れでは、建設業法や労働関係法令の厳格な遵守が求められます。

派遣雇用の禁止(直接雇用の義務)
建設分野の特定技能外国人は、労働者派遣や建設業務労働者の就業機会確保による雇入れが一切認められていません(直接雇用限定)。必ず受入企業が自社で直接雇用契約を締結する必要があります。

下請指導ガイドラインへの対応(元請企業の役割)
受入企業が下請業者として特定技能外国人を受け入れる場合、元請企業の指導(施工体制台帳・現場入場届出書の正確な提出等)に従う必要があります。また元請企業は、下請業者が雇用する特定技能外国人の在留資格や就労範囲を適切に確認・管理する責任を負います。

各種届出・変更申請の徹底
建設特定技能受入計画の変更(対象外国人の追加や条件変更等)が生じた場合は、事前に国土交通省への変更申請や届出が必要です。また、受入停止や退職が発生した際も、国土交通省および出入国在留管理局の双方へ遅滞なく報告を行わなければなりません。

まとめ:特定技能「建設」の活用で持続可能な現場経営を

特定技能「建設分野」の活用は、現場の即戦力不足を解消するだけでなく、2号制度を通じた「将来の現場職長・リーダー人材の長期育成」を実現する強力な手段です。特に2号は人数制限枠がなく永続的な雇用が可能となるため、自社のコア人材としての定着が期待できます。

しかし、国土交通省への建設特定技能受入計画の作成・申請、有料職業紹介禁止への配慮、職種ごとのCCUS実務経験証明、複雑なビザ手続きなど、建設分野特有の高度な実務ノウハウが必要です。不安がある事業者様は、外国人雇用と建設業許可・申請の専門家である行政書士法人へご相談されることを強くおすすめします。

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