【法令・実務完全ガイド】外国人雇用の実務手続きと不法就労助長罪リスク回避策|10月開始の合同立ち入り調査と在留カードIC確認徹底解説
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Toggle不法就労助長罪と10月開始の「合同立ち入り調査」の全貌
政府は不法滞在者ゼロプランの実効化に向け、関係省庁と連携した立ち入り調査の体制を大幅に強化しています。まずは法的なリスクと今回の調査方針の要点をおさえておきましょう。
不法就労助長罪(入管法第73条の2)とは?
事業主が不法就労者と知らなかった場合でも、適切な確認を怠っていた(過失があった)とみなされれば処罰の対象となります。
【罰則】3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(またはその両方)
不法就労助長罪は、「うっかり確認を忘れていた」「紹介会社を信用していた」という理由では処罰を免れません。企業の信用失墜や業務停止リスクに直結する重要なコンプライアンス課題です。
これまでの立ち入り調査と、10月から本格化する「入管庁×他省庁合同調査」の違いは以下の通りです。
| 項目 | 従来の調査 | 10月開始の合同立ち入り調査 |
|---|---|---|
| 調査主体 | 各省庁単独(労働基準監督署等) | 国土交通省・環境省等 + 入管官員が同行 |
| カード確認 | 目視や書類提出での確認が中心 | 専用アプリによるICチップ即時読取 |
| 調査対象 | 自社の直接雇用労働者 | 派遣・下請先を含む現場全体の作業員 |
派遣先・下請業者に潜む盲点と企業の法的責任
外国人雇用において、自社で直接雇用している正社員や契約社員の管理徹底は進んでいます。しかし、最も危険な盲点となるのが「派遣社員」や「下請負業者の作業員」です。
入管法上、自社現場で稼働している外国人が不法就労状態であった場合、直接雇用主だけでなく、その作業をさせている元請企業や派遣先企業も「不法就労をさせていた機関」として追及されるリスクがあります。
特に以下のケースでは、意図せず不法就労助長罪に問われる危険性が高まります。
- 偽造在留カードの提示:精巧に作られた偽造カードを見抜けず、目視のみでパスさせていた。
- 資格外活動違反:「留学」「家族滞在」のアルバイト枠(週28時間以内)を超えて就労させていた。
- 在留期間の更新忘れ:在留期限が切れていることに気づかず稼働を継続させていた。
- 派遣・下請けの丸投げ:二次下請・三次下請が雇用している外国人の在留資格を把握していなかった。
合同立ち入り調査では、現場にいる全ての外国人作業員に対してICチップの読み取りが行われます。これにより、偽造カードの行使や期限切れが一瞬で判明します。
今すぐ社内で徹底すべき「在留カードIC読取確認」の実務ポイント
合同調査や不法就労のリスクから会社を守るためには、目視確認を廃止し、社内体制として「IC読取確認の義務化」へシフトすることが急務です。
現場で実施すべき具体的な実務ステップは次の4点です。
1. 出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション」の導入
入管庁が提供している無料の公式アプリを活用します。スマートフォンでカードのICチップをかざすことで、カード記載の情報とICチップ内の券面情報が一致しているかを即座に検証できます。目視では判別不可能な偽造カードも即座に見抜くことができます。
2. 雇用形態(直接雇用・派遣・下請)を問わない確認フローの構築
自社社員だけでなく、派遣会社から送られてくるスタッフや、現場に入場する下請業者の外国人も確認対象に含めます。入場手続きのルールとして「ICチップ読取による確認済証」の提示を義務付ける運用が有効です。
3. 資格外活動・就労制限のダブルチェック
在留カードの裏面にある「資格外活動許可」の記載を確認し、労働時間上限(週28時間等)が守られているか労働制限の確認を行います。特定技能等の場合は、指定書に記載された指定機関・指定業務に適合しているかも確認が必要です。
4. 定期的な更新確認と記録の保管
在留期間満了日の3ヶ月前から更新手続きが可能です。期限切れを防ぐ管理台帳を作成し、カードの表裏画像およびIC読取ログを保存しておくことで、適切な確認を行っていたという「注意義務の履行」を客観的に証明できます。
企業のコンプライアンス予防策と不法就労助長罪のリスク
不法就労助長罪(入管法第73条の2)は、「知らなかった」「確認を失念していた」という言い訳が通用しません。自社を守るために以下の予防対策を徹底してください。
出入国管理法上、16歳以上の中長期在留者は「在留カードの常時携帯義務」が課されており、携帯していない場合は罰則(20万円以下の罰金)の対象となります。
企業側も、現場での立ち入り調査や巡回において外国人がカードを不携帯であることが発覚した場合、雇用管理体制の不備を追及されるリスクがあります。日常から「勤務中・移動中を含め常に常時携帯すること」を指導・徹底してください。
偽造在留カードの見抜き方と「IC読取アプリ」の活用
近年、精巧な偽造在留カードが出回っています。目視確認だけでは偽造を見抜けないケースが増加しているため、出入国在留管理庁が提供している「在留カード等読取アプリケーション」を活用し、カード内のICチップ情報を読み取って改ざんがないか照合する実務を社内ルール化しましょう。
派遣社員・下請け業者の「丸投げ」に潜む罠
自社の直接雇用社員だけでなく、派遣会社から受け入れるスタッフや下請負業者の作業員が自社現場で稼働している場合も注意が必要です。自社現場で不法就労者が働いていた場合、元請や派遣先企業も関係当局からの指導や処罰の対象となり得ます。関係会社を含めた在留カード確認のフローを確立することが重要です。
外国人雇用に関するよくある質問(FAQ)
企業の労務・採用担当者様から寄せられる代表的な疑問にお答えします。
Q. 派遣社員の在留資格確認は、派遣会社任せにしていて問題ありませんか?
A. いいえ、問題があります。万が一、派遣先での就労内容が在留資格の対象外であったり、不法就労者であった場合、派遣先企業も不法就労助長罪等の問責対象となり得ます。自社現場で稼働させる以上、派遣先としてもIC読取等による確認を行うことが安全です。
Q. 在留カードのコピーをもらうだけで確認したことになりますか?
A. 単なるコピーや目視のみでは、精巧な偽造カードが見抜けなかった際に「過失(適切な確認を怠った)」とみなされるリスクが高まっています。ICチップ読取アプリ等を用いた確実な照合記録を残すことが推奨されます。
Q. 合同立ち入り調査で不法就労が発覚した場合、どのようなペナルティがありますか?
A. 不法就労助長罪(3年以下の懲役・300万円以下の罰金)の適用リスクがあるほか、企業名の公表、外国人受け入れ停止措置(特定技能等の認定取り消し・不交付)、各種許認可への影響など、事業継続に関わる深刻な不利益が生じます。
外国人雇用の最新リスク対策とご案内
10月からの合同立ち入り調査開始に伴い、企業の外国人雇用管理にはこれまで以上の精度とスピード感が求められています。「制度が複雑で自社の運用が合っているか不安」「下請けを含めた管理体制をどう作ればいいかわからない」という場合は、外国人雇用の専門家である行政書士法人へご相談いただくのが確実です。
当法人では、不法就労防止のための社内体制構築支援や、受入機関・登録支援機関としての適正な実務サポートを行っております。
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