【行政書士解説】特定技能の申請タイミングはいつ?認定・変更・更新・留学からの切り替えを徹底解説
外国人材の採用が決まり、いよいよ「特定技能」での雇用。しかし、担当者を悩ませるのが「いつ申請を始めればいいのか?」というタイミングの問題です。
入管の審査は想像以上に時間がかかります。準備が遅れると、入社日が延びるだけでなく、不法就労のリスクや、外国人本人の生活が立ち行かなくなるケースも少なくありません。
本記事では、特定技能の「認定・変更・更新」それぞれにおけるベストな申請タイミングを、実務のプロである行政書士が徹底解説します。
【この記事のポイント】
- 海外から呼び出す「認定申請」は内定直後の着手が鉄則
- 国内からの「変更申請」は退職日を調整する前に申請すること
- 「更新申請」は期限の4ヶ月前から準備が必要な理由
目次
Toggle「認定証明書」交付申請は、内定後すぐの着手が鉄則
海外にいる外国人を呼び出す「在留資格認定証明書(COE)交付申請」は、特定技能の中で最も時間がかかる手続きの一つです。
現在の審査期間の目安は2ヶ月〜3ヶ月。審査が混み合っている時期や、書類に不備がある場合はさらに長引く傾向にあります。
■ 理想的なスケジュール
内定が決まった瞬間に、本人の「健康診断」と「現地の書類収集」を指示しましょう。
ただし、健康診断票は受診から3ヶ月が有効期限となるため、申請をすぐに進められない場合は注意が必要です。
審査期間中に現地の送り出し機関での手続きや講習が必要なケースもあるため、「内定から入社まで半年」は見込んでおくと安心です。
「変更申請」は退職日を調整する前に!就労不可期間を防ぐコツ
他の就労ビザから「特定技能」へ切り替える「在留資格変更許可申請」では、退職と入社のタイミング設定が非常に重要です。
■ 先に退職してはいけない理由
変更申請には平均して3ヶ月前後かかります。もし、現在の会社を先に辞めてから申請を始めると、新しい許可が出るまでの数ヶ月間、一切働くことができない「ブランク期間」が発生してしまいます。これは外国人本人にとって経済的に極めて大きなリスクです。
■ 推奨される手順
- 現在の会社に在籍したまま、特定技能への変更申請を行う。
- 申請中(審査待ち)の状態で、現在の会社での退職日を確定させる。
- 許可が下りてから、スムーズに新しい業務(特定技能)へ移行する。
まずは「不足書類なく申請を完了させること」を最優先にし、その後に退職・入社日の最終調整を行うのが最も安全なルートです。
留学生から特定技能への変更申請は「卒業3ヶ月前」に申請すべき理由
アルバイト等で自社に関わっていた留学生や、新卒採用した留学生を特定技能として雇用する場合、一般的な転職・変更申請とは異なる特殊な運用ルールが存在します。
■ 卒業3ヶ月前までの申請が必要な理由
留学生の在留資格変更許可申請は、卒業予定日の約3ヶ月前から事前申請が可能です。
審査には2〜3ヶ月程度かかるため、卒業間際に申請を始めると、4月1日の新年度入社に間に合わなくなってしまいます。内定を出したら、卒業前年の12月〜1月頃には申請書類の準備を完了させておくのが鉄則です。
■ 資格外活動(アルバイト)の失効に関する重大な注意点
留学生が受けている「資格外活動許可(週28時間以内のアルバイト)」は、学校を卒業した時点で効力を失います。
在留カードの期限が残っていたとしても、卒業後はアルバイトを行うことができません。もし卒業後にそのままアルバイトとして働かせつづけた場合、企業側も不法就労助長罪に問われる危険があります。卒業から特定技能の許可が下りるまでの期間は、一切の就労が不可となる点に十分注意してください。
■ 卒業証明書と新しい在留カードの発行運用
審査自体は卒業前に完了させることができますが、入管の運用上、原則として「卒業証明書(原本または写し)」を提出するまで新しい特定技能の在留カードは交付されません。
審査が終了していても卒業までカードの発行を待ってもらえる(保留にしてもらえる)運用となっているため、卒業式が終わったらすぐに学校から卒業証明書を取得し、入管へ提出して新しい在留カードを受け取る流れとなります。
「更新申請」は期限4ヶ月前から準備、3ヶ月前に即申請
すでに特定技能で働いている方の「在留期間更新許可申請」は、在留期限の3ヶ月前から受付が可能です。
「まだ3ヶ月もあるから」と油断していると、思わぬ落とし穴にはまります。実務上は「期限の4ヶ月前」から書類準備を開始し、3ヶ月前になった瞬間に申請するのがベストです。
■ 申請が遅れると発生する「生活上のリスク」
申請から許可が出るまでの間に在留期限が過ぎると「特例期間」に入ります。この期間は適法に滞在できますが、以下のようなトラブルが発生しやすくなります。
- 銀行口座の問題:在留期限が切れていると、銀行口座が一時凍結され、給与の引き出しができなくなる場合があります。
- マイナンバーカード:有効期限が切れてしまい、再発行や更新に手間がかかります。
- 更新手続きの心理的負担:「期限が切れている」という状態は、外国人本人にとって非常に不安なものです。
まとめ:余裕を持ったスケジュールがコンプライアンスの鍵
特定技能の申請タイミングを間違えると、入社日の大幅な遅れや、意図しない不法就労リスクを招きかねません。担当者としては、「審査期間を長めに見積もり、前倒しで動くこと」が、会社と外国人の双方を守る唯一の方法です。
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