【2026年10月15日時点】漁業分野の特定技能制度における変更点とは?受入れ企業が押さえるべき重要ポイントを徹底解説

漁業分野において特定技能外国人を受け入れている、または今後の受け入れをご検討中の企業・雇用担当者の皆様へ。

漁業分野における「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領」について、制度変更や運用の明確化が行われています。2026年10月15日時点の情報をもとに、制度全体の再編(育成就労制度の創設など)や業務区分の明確化に伴う変更点を整理します。これらの変更は、企業が遵守すべき基準や申請書類にも影響するため、正確な内容の把握が重要です。

「運用要領のどこが変わったのかわからない」「自社の受け入れ手続きにどのような影響があるのか不安だ」と感じている担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、2026年10月15日時点の情報をもとに、漁業分野における特定技能制度の変更点と、受入れ企業が確認しておきたい実務上のポイントを、行政書士の視点からわかりやすく解説します。

この記事でわかること

  • 漁業分野における特定技能運用要領の主な変更点
  • 特定技能1号・2号の従事業務(主たる業務・関連業務)の範囲と条件
  • 評価試験・技能要件・経過措置の最新情報
  • 労働者派遣形態による受入れ要件と注意点
  • 企業に求められる「育成・キャリア形成プログラム」と実務上の対策

なぜ今、漁業分野の特定技能制度が変わったのか?

漁業および養殖業の現場では、人手不足の深刻化に伴い、特定技能外国人の存在感が高まっています。その一方で、従来の技能実習制度から「育成就労制度」への制度転換や、制度運用の適正化・透明化を目的とした法改正が進められています。

これらに伴い、漁業分野の運用要領も改正され、業務区分の明確化、関連業務の範囲の提示、試験・技能水準の表記整理、キャリア形成支援の明確化といった変更が行われています。

企業側としては、最新の法令・運用基準に合致した雇用契約や支援計画を運用していない場合、在留資格申請の審査に影響する可能性があります。受入れ企業は、最新の運用要領や必要書類を確認し、自社の受入れ体制が要件を満たしているかを点検することが重要です。

漁業分野特定技能の主な変更点【一覧で確認】

2026年10月15日時点で確認すべき主な変更・明確化のポイントを整理しました。自社の受入れ状況と照らし合わせながら確認してみましょう。

項目 変更・明確化のポイント
1. 根拠規定・目的の整理 育成就労制度との連携を踏まえた基本方針・運用方針の整理。
2. 従事可能業務の範囲 主たる業務(漁業・養殖業)のほか、日本人が通常従事する付随的な関連業務の具体例を明確化。
3. 試験名称と技能確認基準 試験名称の整理や、旧試験の合格者を新試験に合格したものとみなす経過措置の確認。
4. 派遣形態による受入れ 派遣元事業者に求められる要件や、要件を確認するための書類の整理。
5. キャリア形成・協議会 育成・キャリア形成プログラムの活用方針や、協議会の構成員であることを確認する書類の取扱い。

従事できる業務範囲と「付随的関連業務」の明確化

特定技能外国人を受け入れる際、注意すべき点の一つが「どのような作業に従事させることができるか」という点です。主たる業務に加え、認められる関連業務の範囲を理解し、実際の業務内容が制度の要件に適合しているかを確認する必要があります。

主たる業務の整理

漁業分野は大きく分けて「漁業区分」と「養殖業区分」の2つの業務区分に分かれます。

  • 特定技能1号(漁業区分):船長・漁労長等の監督者の指示を理解し、または包括的な指示のもとで自ら判断しながら、漁具の製作・補修、水産動植物の探索・採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等の業務に従事します。
  • 特定技能1号(養殖業区分):監督者の指示を理解し、または自ら判断しながら、養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲・処理、安全衛生の確保等の業務に従事します。
  • 特定技能2号(両区分共通):熟練した技能を有し、操業や養殖を管理する者を補佐し、他の作業員を指導・監督しながら、作業工程を指揮・管理するリーダーとして従事します。

付随的に従事可能な「関連業務」の具体例

主たる業務に関連して、日本人が通常行う関連業務に付随的に従事することは認められています。ただし、関連業務のみに従事させることは認められません。実際の業務内容や従事時間なども踏まえ、主たる業務に従事していることを確認する必要があります。

【漁業区分における付随的関連業務の例】

  • 漁具・漁労機械の点検・換装、船体の補修・清掃、魚倉・保管庫・番屋の清掃
  • 漁船への餌、氷、燃油、食材、日用品等の積み込み・仕込み、出漁にかかる炊事・賄い
  • 採捕した水産動植物の生簀における畜養など付随的養殖
  • 自家生産物の運搬・陳列・販売、および自家生産物を原料とする製造・加工・販売
  • 魚市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け、体験型漁業における乗客の採捕補助、研修等

【養殖業区分における付随的関連業務の例】

  • 養殖用機械・設備・工具の清掃・消毒・保守、食害防止のための鳥獣駆除・防護ネット張り
  • 養殖用の餌となる水産動植物や稚魚の採捕など付随的漁業
  • 自家生産物の運搬・陳列・販売、製造・加工、魚市場での選別・仕分け等

技能水準・日本語能力要件と「経過措置」

受入れにあたり、外国人が満たすべき技能・日本語能力の確認方法についても、最新の運用要領に沿って確認する必要があります。

特定技能1号の要件

  • 技能水準:「1号漁業特定技能評価試験(漁業)」または「1号漁業特定技能評価試験(養殖業)」への合格。
  • 日本語能力水準:「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」または「日本語能力試験(JLPT N4以上)」など、所定の日本語能力要件を満たすこと。
  • 技能実習2号修了者の扱い:所定の職種・作業の技能実習2号を良好に修了している場合、技能試験や日本語試験が免除されることがあります。免除の可否は、修了した職種・作業と従事予定業務との関連性など、適用される要件を確認する必要があります。

試験区分の変更に伴う「みなし措置(経過措置)」

旧試験に合格している場合、新試験区分に合格したものとみなされる経過措置が適用されることがあります。対象となる試験の名称や適用条件については、最新の運用要領および関係資料で確認しましょう。

旧試験区分 みなし後の新試験区分
漁業技能測定試験(漁業)/1号漁業技能測定試験(漁業) 1号漁業特定技能評価試験(漁業)
漁業技能測定試験(養殖業)/1号漁業技能測定試験(養殖業) 1号漁業特定技能評価試験(養殖業)
2号漁業技能測定試験(漁業) 2号漁業特定技能評価試験(漁業)
2号漁業技能測定試験(養殖業) 2号漁業特定技能評価試験(養殖業)

特定技能2号の実務経験要件

特定技能2号への移行にあたっては、熟練した技能を確認する試験等に加え、所定の実務経験要件を満たす必要があります。実務経験の内容や必要年数、試験要件は、漁業区分・養殖業区分ごとに確認してください。

  • 漁業区分:登録漁船において、操業を指揮監督する者を補佐する者、または作業員を指導しながら作業工程を管理する者としての実務経験。
  • 養殖業区分:養殖現場において、養殖管理者を補佐する者、または作業員を指導しながら作業工程を管理する者としての実務経験。

実務経験の年数や対象となる業務の詳細は、最新の試験案内・運用要領等に基づいて確認してください。

労働者派遣形態による受入れの基準

漁業分野は地域や魚種によって繁閑の差が大きいため、直接雇用に加えて「労働者派遣形態」による受入れが認められています。ただし、どのような派遣会社でも利用できるわけではなく、所定の要件を満たす必要があります。

派遣事業者の対象要件

特定技能外国人を派遣できる事業者は、所定の要件に該当し、農林水産大臣との協議等を経て適当と認められた派遣事業者に限られます。

  1. 漁業または漁業に関連する業務を行っている事業者
  2. 地方公共団体または上記1の事業者が資本金の過半数を出資している事業者
  3. 地方公共団体の職員・役職員、または上記1の役職員が役員として実質的に業務執行に関与している事業者

在留資格の申請時には、派遣事業者の定款、登記事項証明書、株主名簿、役員名簿、業務方法書など、要件を満たしていることを証明する書類が必要となる場合があります。具体的な提出書類は、最新の申請案内で確認してください。

受入れ企業(特定技能所属機関)が果たすべき義務

特定技能外国人を受け入れる事業者は、関係法令や分野別の運用基準を遵守し、適切な受入れ体制を整備する必要があります。

1. 協議会への加入と誓約事項の遵守

特定技能外国人を受け入れる企業や派遣先事業者には、農林水産省が設置する「漁業分野における特定技能外国人の受入れに関する協議会」に関する所定の要件を満たすことが求められます。

在留諸申請にあたっては、協議会の構成員であることを確認するための書類など、所定の資料を提出する必要があります。加入時期や提出書類は、最新の運用要領・申請案内に従って確認しましょう。協議会の決定事項に従い、必要な協力を行うことも重要です。

2. 実務経験証明書の交付

外国人が転職や特定技能2号へのステップアップを希望し、過去の実務経験の証明を求めた場合には、関係規定に従って実務経験を証明する書面等を交付する必要があります。雇用期間や担当業務などを適切に記録・管理しておくことが大切です。

3. 「育成・キャリア形成プログラム」の活用

農林水産省・水産庁が公表する「育成・キャリア形成プログラム」などの関連資料を確認し、外国人が段階的に技能を高め、将来のキャリアを見通せるよう、計画的な育成や評価に活用することが重要です。具体的な適用関係や必要な対応は、最新の制度資料に基づいて確認してください。

まとめ:実務上の注意点と申請手続きのポイント

漁業分野における特定技能制度は、人手不足に悩む漁業者・水産企業にとって、外国人材を受け入れるための重要な制度です。一方で、遵守すべき基準や必要な提出書類は多岐にわたるため、最新の運用要領を踏まえた対応が欠かせません。

受入れ担当者が今すぐ確認すべきチェックリスト

  • 外国人に従事させる作業が主たる業務に該当しているか(清掃や運搬などの関連業務のみになっていないか)
  • 過去の技能実習や旧試験の修了証明書・合格証が、適用される要件を満たしているか
  • 特定技能受入れに関する協議会への加入や証明書類の準備ができているか
  • 派遣形態の場合、派遣元事業者が所定の要件を満たしているか
  • 最新の運用要領・申請案内を確認し、自社の受入れ体制や必要書類を見直しているか

制度の理解不足や提出書類の不備があると、申請審査の遅延や受入れ計画への影響につながる可能性があります。手続きに不安がある場合は、外国人雇用や出入国手続きを専門とする行政書士へ相談することをお勧めします。


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