特定技能から在留資格「介護」へ移行するメリットとは?要件や手続きを専門家が解説

外国人雇用において、現場のリーダー候補をどう育成するかは大きな課題です。現在、特定技能1号で活躍しているスタッフが、さらに長く、より高度な業務に従事できる道があることをご存知でしょうか?

それが在留資格「介護」への移行です。本記事では、初心者の担当者様向けに、特定技能から在留資格「介護」へキャリアアップするための要件や、その先にある「永住許可」への可能性まで網羅的に解説します。

この記事でわかること

  • 在留資格「介護」と「特定技能」の決定的な違い
  • 特定技能から「介護」へ移行するための必須条件
  • 「永住許可」申請に向けたキャリアパスの描き方
  • 企業が「介護」ビザへの移行を支援する圧倒的なメリット

在留資格「介護」とは?特定技能との違いを比較

在留資格「介護」は、日本の専門学校や大学を卒業した方、あるいは実務経験を経て日本の国家資格である「介護福祉士」を取得した方に与えられる専門職の在留資格です。

「特定技能1号」が即戦力としての現場作業を主目的としているのに対し、「介護」はより高度な専門知識を持つ専門職としての位置づけになります。

項目 特定技能1号 在留資格「介護」
在留期間 通算5年(上限あり) 上限なし(更新可能)
家族の帯同 原則不可 可能(配偶者・子)
永住申請 就労期間にカウント不可 カウント可能
業務内容 身体介護・付随的業務 介護・介護の指導等

特定技能から「介護」へキャリアアップする要件

現場で働く外国人スタッフが「介護」ビザへ変更するためには、以下のステップが一般的です。

1. 介護福祉士国家試験の合格

これが最大のハードルであり、必須条件です。特定技能1号として3年以上の実務経験を積み、「実務者研修」を修了することで国家試験の受験資格が得られます。

2. 実務者研修の修了

450時間の研修を受講する必要があります。働きながらの受講となるため、企業側がシフト調整や受講費用の補助などの配慮を行うことが、スムーズな合格への近道です。

3. 本人との雇用契約

日本人と同等額以上の報酬を支払うことが条件となります。国家資格保持者となるため、特定技能時代よりも昇給を検討する企業が一般的です。

最大のメリット:永住許可への道が開ける

企業にとっても本人にとっても最も重要なのが、「永住許可」申請へのステップになるという点です。

通常、永住申請には「原則10年以上の継続在留」が必要ですが、そのうち5年以上は「就労資格」での在留が必要です。実は、特定技能1号の期間はこの「5年」に含まれません。

【ここがポイント!】
在留資格「介護」に切り替えることで、その後の在留期間がすべて永住申請に必要な「就労期間」としてカウントされるようになります。つまり、長く日本で貢献したいと願う外国人スタッフにとって、この切り替えは人生を左右する大きな転換点となります。

永住者が増えることは、企業にとって「ビザ更新の手間がなくなる」「本人や家族が定住し、長期的な戦力として計算できる」という計り知れないメリットをもたらします。

企業が「介護」ビザ移行を推進すべき理由

① 永続的な雇用とリーダー育成
特定技能1号は5年で帰国しなければなりませんが、「介護」ビザに上限はありません。長年教育した優秀な人材を、将来のフロアリーダーや施設長候補として定着させることができます。

② 家族帯同による離職防止
母国の家族を呼び寄せることができるため、本人の精神的な安定に繋がり、離職率が劇的に低下します。日本に根を張って働いてもらうための最強の動機付けになります。

③ 施設の評価向上
有資格者の配置基準において、介護福祉士が増えることは施設運営上の加算や評価に直結します。サービスの質の向上を対外的にアピールできます。

手続き上の注意点とスケジュール

国家試験の合格発表は例年3月下旬です。合格後、介護福祉士登録証が手元に届いてから入管へ申請しますが、以下の点に注意が必要です。

  • 実務経験証明の準備: 過去の勤務先がある場合、早めに証明書を取り寄せておく必要があります。
  • 在留期限の確認: 特定技能の期限が迫っている場合は、更新時期と合格発表時期を逆算してスケジュールを組まなければなりません。

不許可リスクを最小限にするためには、合格前の段階から準備を始めることが重要です。


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