外国人雇用のビザと在留資格の違いとは?採用時の確認ポイントを解説
目次
Toggle外国人雇用の第一歩:その理解、間違っていませんか?
外国人採用を担当される企業のご担当者様から、
「ビザの手続きが必要ですよね?」
「ビザを持っていると聞いているので大丈夫だと思っていました」
といったご相談を多くいただきます。
しかし実務上、「ビザ(査証)」と「在留資格」を混同したまま採用を進めてしまうことは、企業にとって大きな法的リスクにつながります。
本記事では、外国人雇用の基本として必ず押さえておきたい
・ビザと在留資格の違い
・「ビザがある=働ける」ではない理由
・採用時に必須となる確認方法
を、実務目線でわかりやすく解説します。
- ビザと在留資格の決定的な違い
- 「ビザがある=働ける」ではない理由
- 採用時に必須となる確認方法(アプリ活用法)
「ビザ」と「在留資格」の違いを映画館で例えると?
外国人雇用の場面では、まずこの違いを正しく理解することが重要です。
ビザ(査証)=映画館の「入場券」
ビザ(査証)とは、海外にいる外国人が日本に入国する際に必要となる許可です。
映画館に例えるなら、
「この人は館内に入ってもいいですよ」
という入口を通過するための入場券にあたります。
一度入館(入国)してしまえば、その役割は終了します。
在留資格=映画館内での「活動ライセンス」
一方、在留資格は、日本に入国した後、どのような活動を行ってよいかを定める資格です。
映画館で例えると、
・一般席で映画を鑑賞する人
・VIP席で飲食を楽しめる人
・館内スタッフとして働く人
といったように、館内で何をしてよいかを決めるルールにあたります。
企業担当者が覚えるべき最重要ポイント
企業が外国人を雇用する際に確認すべきなのは、
❌ ビザ(入場券)
⭕ 在留資格(日本で働けるかどうか)
です。
「日本でどの業務に、どの立場で従事できるのか」は、在留資格ごとに法律で厳密に定められています。
そのため、在留資格に合わない業務内容での雇用は認められません。
もっとも実務上は、在留資格のことを総称して「ビザ」「就労ビザ」と呼ぶケースも多く、
相手が査証(ビザ)を指しているのか、在留資格を指しているのかを正しく読み取ることが重要となります。
「ビザがある」=「働ける」ではありません
採用面接の場で、
「ビザは持っています」
と言われて安心してしまうケースは少なくありません。
しかし、その在留資格が「短期滞在(観光)」であった場合、原則として日本で働くことはできません。
誤って雇用すると企業側も処罰対象に
就労が認められていない外国人を雇用した場合、企業側も
「不法就労助長罪」
に問われる可能性があります。
その罰則は、
3年以下の懲役
300万円以下の罰金
と非常に重く、「知らなかった」では済まされません。
適法雇用のために必要な判断
外国人を雇用する際には、
その在留資格で
自社の業務内容に従事できるのか
を、企業側が責任をもって確認する必要があります。
実務の必須ツール:「在留カード」と確認アプリ
外国人が日本に中長期在留する場合、必ず所持しているのが在留カードです。
採用実務において、
「その人がどの在留資格を持っているのか」
を確認できる唯一の公的証明書と言えます。
目視確認だけでは不十分な時代
近年では、非常に精巧な偽造在留カードも確認されており、目視のみでの確認はリスクがあります。
そこで活用したいのが、出入国在留管理庁が公式に提供している
「在留カード等読取アプリケーション」です。
在留カード等読取アプリでできること
このアプリをスマートフォンにインストールし、在留カードにかざすことで、ICチップ情報を読み取ることができます。
・真贋確認:ICチップ情報とカードの印字内容が一致しているか
・番号の有効性確認:在留カード番号が現在も有効か、失効していないか
「目視確認」+「アプリ確認」の二段構えが、企業コンプライアンスの基本です。
よくある失敗事例:企業が陥りやすい3つの落とし穴
外国人雇用の現場では、悪意がなくても次のような「うっかりミス」が発生しがちです。
失敗事例①「ビザがあると聞いて安心してしまった」
本人から「ビザは持っています」と説明を受け、そのまま採用を進めてしまったケースです。
実際には在留資格が「短期滞在」であり、就労が認められていなかったため、結果として不法就労助長に該当するおそれがありました。
👉 確認すべきはビザではなく、在留資格と就労可否です。
失敗事例② 在留カードは確認したが「仕事内容」まで見ていなかった
在留カードに「技術・人文知識・国際業務」と記載があることだけを確認し、実際の業務内容との適合性を精査しなかったケースです。
結果として、単純作業中心の業務に従事させてしまい、在留資格との不整合が問題となりました。
👉 在留資格は「職種名」ではなく「業務内容」で判断されます。
失敗事例③ 更新期限の管理ができていなかった
在留期間の満了日を把握しておらず、更新申請が遅れてしまったケースです。
在留期間が切れた状態で就労を継続すると、企業側もリスクを負う可能性があります。
👉 更新期限は企業側でも必ず管理しましょう。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 在留カードのコピーは保管しなければいけませんか?
法令上の明確な保存義務はありませんが、採用時に確認を行った証跡としてコピーを保管することを強くおすすめします。
万が一、行政から確認を求められた際に、「適切な確認を行っていた」ことを示す資料となります。
Q2. アルバイトやパートとして雇用する場合も確認は必要ですか?
はい、雇用形態にかかわらず確認は必須です。
特に「留学」や「家族滞在」の在留資格の場合は、資格外活動許可の有無や、週28時間以内といった就労制限の確認が必要となります。
Q3. 在留カード等読取アプリを使えば、就労可否まで分かりますか?
アプリで確認できるのは、あくまで
・在留カードの真贋
・カード番号の有効性
です。
その在留資格でどの業務に従事できるかの判断は、企業側または専門家が行う必要があります。
Q4. 内定後に在留資格の変更や更新はできますか?
可能です。ただし、
・職務内容
・雇用条件
・申請タイミング
によっては不許可となるリスクもあります。
採用スケジュールに影響が出る前に、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
複雑な判断は、専門家に任せるという選択
実務では、次のようなご相談を多くいただきます。
「在留カードは本物だったが、この業務を任せていいのか?」
「更新期限が近いが、いつから準備すべきか?」
「職務内容が変わった場合、在留資格は問題ないのか?」
これらは、入管法や在留資格制度の専門知識がなければ、正確な判断が難しい分野です。
当法人では、
・在留資格の適合診断
・外国人雇用に関するリスク整理
・在留資格申請・更新の代行
まで、企業様の実務に寄り添ったサポートを行っています。
まとめ:外国人雇用の「いま」を正しく捉える
外国人雇用を取り巻くルールや運用は、法改正や実務変更により常にアップデートされています。
一つの確認漏れが、
・行政指導
・刑事罰
・企業の社会的信用の低下
につながる可能性も否定できません。
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