従業員が在留カードを紛失!企業の正しい対応手順と不法就労のリスクを解説
「従業員が在留カードを失くしてしまった……」
「再交付までの間、そのまま働いてもらって法律上問題はないのか?」
外国人従業員を雇用していると、こうした突発的なトラブルに直面することがあります。在留カードは、日本に在留する外国人にとっての「免許証」であり、就労資格を証明する極めて重要な書類です。その紛失を放置することは、本人だけでなく、雇用している企業にとっても重大なコンプライアンス違反(不法就労助長罪など)につながる恐れがあります。
本記事では、行政書士の専門的知見から、在留カード紛失時に企業が取るべき正しい対応手順と、リスクを未然に防ぐ管理体制について解説します。
目次
Toggle在留カード紛失は「本人任せ」で大丈夫?企業が知るべき法的リスク
在留カードの紛失を単なる「従業員の不注意」として片付けるのは危険です。企業には以下のリスクが伴います。
不法就労助長罪に問われる可能性
在留カードがない状態では、その従業員が現在も有効な在留資格を持っているか、在留期限が切れていないかを客観的に証明できません。万が一、期限切れの状態で就労を継続させた場合、企業側は「不法就労助長罪」に問われ、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方を科される可能性があります。
最新データが示す管理の重要性
厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況(令和6年1月発表)によると、外国人労働者数は約205万人に達し、過去最高を更新しました。雇用形態が多様化する中で、入管当局のチェックも厳格化しています。「知らなかった」では済まされない状況だからこそ、企業主導の管理が求められています。
【ステップ別】在留カード紛失から再交付申請までの対応フロー
従業員から紛失の報告を受けたら、以下の手順を迅速に進めるよう指導・サポートしてください。
STEP1:警察への「遺失届」と受理番号の確認
まずは最寄りの警察署や交番へ「遺失届(盗難の場合は被害届)」を出させます。その際発行される「受理番号」は、入管での再交付申請時に必要となります。
STEP2:14日以内に入管へ「再交付申請」
紛失を知った日から14日以内に、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署へ「再交付申請」を行わなければなりません。これは入管法で定められた義務です。
必要書類: 再交付申請書、写真(4cm×3cm)、パスポート、警察の受理番号など。
STEP3:申請中の「就労可否」の確認
申請から新カード発行までには数日〜数週間かかる場合があります。その間は、パスポートに「再交付申請中」のスタンプが押されているか、申請受付票を携帯しているかを確認してください。これが「適切に手続き中である」ことの証明となり、就労を継続させる根拠となります。
STEP4:新カード受領後の情報更新
新しいカードが発行されたら、必ず「番号」と「裏面の記載」を確認し、社内の外国人雇用管理台帳を更新してください。
紛失トラブルを防ぐために、企業ができる3つの事前対策
トラブルを最小限に抑えるためには、日頃からの準備が不可欠です。
◼️在留カードの両面コピー(またはスキャンデータ)を保管する
紛失しても番号や期限がすぐに確認できれば、警察や入管での手続きが非常にスムーズになります。
◼️社内規定での報告義務化
「紛失時は即日報告すること」を雇用契約書や就業規則、あるいは生活オリエンテーション等で周知徹底しましょう。
◼️定期的な「現物確認」の実施
3ヶ月に1回など、定期的に現物を確認する機会を設けることで、紛失の隠蔽や期限切れを未然に防げます。
行政書士法人による「外国人雇用コンプライアンス」支援
複雑な入管法への対応や、万が一の紛失時の手続きサポートなど、企業が自社のみですべてを完璧に行うのは容易ではありません。
当法人では、申請取次行政書士が貴社に代わって入管手続きを行うだけでなく、日常的な雇用管理のアドバイスも提供しています。「今の管理方法で法律を守れているのか不安だ」という企業様は、ぜひ専門家の知見をご活用ください。
まとめ|最新の外国人雇用情報を手に入れませんか?
在留カードの紛失対応は、企業のコンプライアンス姿勢が試される場面です。適切な手順を踏むことで、従業員が安心して働ける環境を守り、企業のリスクを回避することができます。
しかし、外国人雇用に関する法令(入管法等)は頻繁に改正され、運用のルールが変更されることも少なくありません。「最新のルールを知らなかったために、意図せず法令違反になってしまった」という事態を避けるために、当法人のメールマガジンもぜひご活用ください。
