特例期間は不法就労になる?申請中に働かせていいケース・ダメなケース
「雇用している外国人の在留期限が来週に迫っているが、まだ新しい在留カードが届かない……」
「申請中に期限が切れたら、一度仕事を休ませなければならないのか?」
外国人雇用において、こうした「在留期限切れ」への不安は多くの企業担当者が直面する悩みです。
結論から申し上げますと、適切に在留資格の更新・変更申請を行っていれば、「特例期間」という制度により、在留期限後も最大2か月間、適法に滞在・就労を継続することが可能です。
しかし、この特例期間には対象外となるケースや企業が見落としやすい注意点が存在します。誤った理解のまま就労を継続させてしまうと、不法就労助長罪などの法令違反に問われるリスクもあります。
本記事では、行政書士の視点から、外国人雇用担当者が必ず押さえておくべき「特例期間」の正しい知識と実務上の注意点を分かりやすく解説します。
目次
Toggle「特例期間」とは?仕組みと対象者を正しく理解する
特例期間とは、在留期間の更新申請や在留資格変更申請を行ったものの、審査結果が出る前に従前の在留期限が到来してしまった場合に、引き続き日本に滞在できる猶予期間のことをいいます。
この特例期間が認められるためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 在留期限が切れる前に、更新・変更申請が正式に受理されていること
- 現在の在留資格の在留期間が31日以上であること(短期滞在など30日以下は対象外)
「申請書を出したつもり」では足りず、入管に受理されていることが重要なポイントです。
特例期間はいつまで認められるのか?
特例期間は、次のいずれか早い日までとなります。
- 出入国在留管理局から、申請に対する処分(許可・不許可)が出た日
- 従前の在留期間が満了した日から2か月が経過する日
※注意: 特例期間はあくまで「最大2か月」です。審査が長引き、2か月を超えそうな場合は、必ず早めに入管へ確認する必要があります。
特定技能外国人は「申請中」でも働かせていい?
近年、特に問い合わせが多いのが「特定技能外国人の申請中の就労可否」です。
結論から言うと、原則として就労継続は可能です。
特定技能をはじめとする就労系在留資格では、申請中であっても、特例期間中は従前の在留資格で認められていた業務内容・条件の範囲内で就労を継続することができます。
ただし、留学生の資格外活動は卒業後には適用されませんのでご注意ください。
厚生労働省が公表している令和6年の「外国人雇用状況」の届出状況では、外国人労働者数は200万人を超え、過去最多となっています。中でも特定技能の在留人数は急増しており、更新手続きを滞りなく行う重要性が年々高まっています。
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| 在留資格の種類 | 特例期間中の就労 | 備考 |
|---|---|---|
| 特定技能 | 可能 | 同一分野・職種での就労に限られます |
| 技術・人文知識・国際業務 | 可能 | 職務内容に変更がなければ問題ありません |
| 留学生(資格外活動) | 可能 | 週28時間以内の制限を厳守する必要があります。ただし、卒業後は就労不可 |
企業が陥りやすい「特例期間」の3つの落とし穴
特例期間は便利な制度ですが、実務上は次のような見落とされがちなリスクがあります。
① 銀行口座が凍結される可能性
入管法上は適法に滞在できていても、金融機関は在留カードの券面上の有効期限を重視します。
そのため、在留カードの期限が切れると、口座が一時的に凍結されたり、海外送金ができなくなったりするケースがあります。
対策: 申請受理票やオンライン申請の受付完了メールの控えを本人に携帯させ、必要に応じて銀行へ提示できるよう指導しましょう。
② マイナンバーカードの失効
マイナンバーカードの有効期限は、原則として在留期限と連動しています。特例期間に入ると、マイナンバーカードが失効するため、特例期間に入る前に別途市区町村での事前手続きが必要になる点に注意が必要です。
③ 特例期間中の海外渡航
特例期間中でも一時出国は可能ですが、2か月の特例期間内に必ず再入国する必要があります。
海外滞在中に2か月を超えてしまうと、在留資格を失い、日本に戻れなくなる重大なリスクがあります。
行政書士法人に相談するメリット
在留期限の管理は、1人の見落としが企業全体のコンプライアンス問題に直結します。
当法人では、以下のようなサポートを行っています。
- 在留期限管理の徹底: 申請前はもちろん、新しいカードの受取が完了するまで期限管理を徹底
- 不許可リスクの事前回避: 書類不備による審査遅延を防止
- 最新法令・運用への対応: 頻繁に変わる入管行政の最新情報を反映
「うっかり期限を過ぎてしまった」「特例期間中の対応が正しいか不安」という場合は、早めのご相談がリスク回避につながります。
特例期間は「万が一」の備え。確実な管理が企業を守る
在留資格の特例期間は、審査が長引いた場合でも就労を継続できる心強い制度です。
一方で、マイナンバーカードの失効や金融機関対応など、入管手続き以外の実務リスクも存在します。
企業としては、
- 在留期限の3か月前から更新準備を開始する
- 特例期間中の制限事項(海外渡航など)を本人に周知する
- 常に最新の入管法運用を確認する
これらを徹底することで、外国人材が安心して働ける環境と、企業の法令遵守体制を両立させることができます。
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